概要
大和ハウス工業㈱(東証PRM1925)は、2025年10月30日、設備工事に関連するエンジニアリングサービス、機器の販売等を手掛ける住友電設㈱(東証PRM1949、2025年3月期純資産119,178百万円、総資産197,577百万円、売上高203,639百万円、営業利益17,886百万円)を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、住友電設の普通株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。
狙い
- 注力領域である電気工事事業及び情報通信事業の拡大:住友電設の注力領域である電気工事事業及び情報通信事業は、既に大和ハウス工業と住友電設の協業することが多い領域であるとともに、今後も旺盛な工事需要や労働力不足が想定されることから、更なる協業体制の深化を通じて収益の最大化を目指す。情報通信事業では、大和ハウス工業がデータセンターや半導体工場等の建設及び開発を推進すると同時に住友電設が情報通信工事を担うことによって、当該領域における施工実績やノウハウの獲得を図る。その他にも、再開発案件、物流施設、オフィス、商業施設、ホテル等における住友電設との協業により、両社にとって更なる事業機会の獲得を目指す。また、大和ハウス工業の事業領域はB to C・B to Bを含め非常に幅広いことから、本取引が実現した後に相互の取引・交流を深めることで、新たな事業機会や建設DXの取組みの深化の可能性をお互いに見出すことを目指す。
- 東南アジアを中心とする海外事業の更なる成長:住友電設においては、1973年にインドネシアにジャカルタ駐在員事務所を開設したのを皮切りに、1975年にシンガポール、1979年にマレーシア、1985年にタイに進出するなど、古くから積極的に海外事業を行っている。海外事業について、大和ハウス工業は、北米・欧州・アジア・豪州にてエリアポートフォリオを構築中であることから、それぞれのエリアの商業施設・物流施設・複合開発案件等における電気工事や通信工事において、住友電設と協業する。特に東南アジアにおいては、大和ハウス工業及び住友電設が共通して進出している国がインドネシア・タイ・フィリピン・ベトナム・中国・マレーシアの6ヶ国に及ぶことから、広範な地域での協業が可能である。これらの国々では急速な経済成長と都市化が進んでいることから、インフラ整備、商業施設、データセンターや半導体工場等の開発、環境保護など多岐にわたる分野での協業に取り組む。また、大和ハウス工業の子会社である㈱フジタは海外進出を積極的に行っており、特にインフラプロジェクトや建設事業において豊富な経験と実績を有していることから、住友電設及びフジタの技術と大和ハウス工業の開発ノウハウを組み合わせることによって、現地市場に適した高品質な事業施設等の提供に取り組む。さらに、上記進出先の国々では環境保護や持続可能な開発が重要な課題となっていることから、エネルギー効率の高い建物の建設や再生可能エネルギーの利用促進等、環境に配慮したプロジェクトを共同で推進する。
所感
大和ハウス工業は、創業100周年を迎える2055年に向け、これから向かうべき方向として「生きる歓びを分かち合える世界の実現に向けて、再生と循環の社会インフラと生活文化を創造する。」という“将来の夢”(パーパス)を策定し、2055年において売上高10兆円の企業グループを目指している。また、中期経営計画では、「収益モデルの進化」、「経営効率の向上」、「経営基盤の強化」の3つを経営方針に掲げ、「賃貸住宅事業」「商業施設事業」「事業施設事業」を成長ドライバーとして位置付けている。本件M&Aは、成長領域であるデータセンター・半導体工場等の建設及び開発における技術力確保及び強化に資する取り組みであり、大和ハウス工業の今後の更なる成長が期待される。
- 挑戦度☆☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆
住友電設株式会社株式(証券コード:1949)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
以上