概要
ENECHANGE㈱(東証GRT4169)は、2025年6月23日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
- 家庭向け電力・ガス切り替えプラットフォーム
- 法人向け電力切り替えプラットフォーム
- SaaS/システム開発
- 新電力向け基幹システム開発
- 電源調達支援
- 分散型リソース提供・制御
強み
- 電力切替支援:幅広い料金プランから最適提案、独自アルゴリズムに基づく高精細な提案、納得感ある質の高い送客。中立的地位によるプラットフォーム運営。
- 事業者向けSaaSシステム開発:多様なニーズに即応するカスタマイズ力、豊富なデータと連携した実用的な提案。エネルギー業界に特化したエンジニア集団。
- 新電力向け基幹システム:市場変化への迅速なシステム対応力、業界知識とIT技術を融合した実践的提案。クラウドネイティブな開発力。
- 電源調達支援:電力業界に特化した知見と豊富な実績、多様な選択肢を網羅した最適調達の提案。電力データの蓄積と活用力。
- 分散型リソース提供・制御:リアルタイムデータを活用した最適制御、電力データ統合による高度な需給調整。EVユーザー基盤の先行構築。
中期経営計画
2028年3月期の数値目標は、売上高83億円(2025年3月期実績52億円)、調整後EBITDA12.5億円(同▲3億円)、とした。
リスク
- 電力制度改革:制度変化は小売支援、需給最適化、分散型リソース活用における新たな事業機会をもたらす一方で、制度の施行時期の遅延や設計の不確実性が事業戦略に影響を及ぼす可能性。取引市場の変化に迅速に適応できなかった場合や、想定外の制度設計となった場合には、同社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
- 電力ガス会社への依存:資源価格や卸電力市場価格の想定外の高騰や、自然災害や突発的な事象など予測せぬ事態により取引先である電力・ガス会社の経営状態が悪化した場合、また電力・ガス会社における集客チャネルに関する戦略の変更等により、同社以外のチャネル重要度が高まり、既存契約の条件見直しや解消、新規発注の停止等につながる可能性がある。
- 競合環境の変化:切り替えプラットフォーム事業者及び電力・ガス会社を含めた競合の参入により、同社の事業領域における競争が激化し、市場シェア縮小、価格競争の激化、収益性の低下などが生じる可能性がある。
- 固定資産の減損:ソフトウエア資産を利用して提供するサービスの収益性が著しく低下した場合や過去に実施した株式取得や事業譲受によって生じたのれんが事業環境や競合状況の変化などにより期待する成果が得られないと判断された場合等に、減損損益として計上が必要となる可能性がある。
- 関連会社株式等の減損等:関連会社株式等の財政状態の悪化による実質価値の著しい低下が発生した場合や投資金額を回収するのに十分な将来の経済的便益が見込めないと判断した場合等においては、減損損失が発生し、同社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
- 検索エンジン:検索エンジン以外のChatGPTをはじめとする生成AI・対話型AIの進化や、AIによる情報取得スタイルの変化などにより、従来の検索エンジンに依存したSEO施策が十分な効果を発揮しなくなる可能性がある。
- 技術革新等:技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない可能性、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する可能性がある。
- システム障害等:自然災害、人為災害、テロ、戦争等に伴いシステム障害が発生することでサービスの提供が困難となる可能性がある。
M&Aニーズ
- 新電力の代理店、コールセンター
- 蓄電池・エコキュート販売・保守、ESCO・省エネ・脱炭素コンサル
- 電力会社向けBPO・SaaS、システム開発
- 電力会社向け基幹システム
- 機器制御/需要・発電予測技術系ベンチャー
所感
ENECHANGEは、「エネルギーの未来をつくる」をミッションとして掲げる。営業キャッシュフローの成長を重視し、エネルギー流通プラットフォーマーとしての地位確立と確実な事業成長、及びEV重電事業の戦略的パートナーとの共同運営による将来成長に取り組む。AIへの投資や、成長戦略に即した規律的なM&A推進を掲げており、同社の今後のアライアンス施策が注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆
- 期待度☆☆
以上