古河電気工業㈱(東証PRM5801)は、2024年12月12日、光コンポーネント製品の開発、製造、販売を手掛ける富士通オプティカルコンポーネンツ㈱(2024年3月期純資産5,172百万円、総資産16,672百万円、売上高13,681百万円、営業利益▲10,275百万円)の株式を富士通㈱(東証PRM6702)より取得し子会社化すると発表した。
狙い
富士通オプティカルコンポーネンツは、光通信ネットワークを構築するために必須となる光変調器や光受信器、またこれらを利用した光トランシーバの開発、製造、販売をしている。特に光通信の大容量化で重要な技術となる広帯域・高速変調特性に優れたリチウムナイオベートを用いた高速光変調器ではリーディングカンパニーとして長年世界トップレベルのシェアを有している。古河電気工業は、富士通オプティカルコンポーネンツを買収することで、富士通オプティカルコンポーネンツのもつリチウムナイオベート技術と古河電気工業のもつ光半導体光源技術を結集、5G/B5G時代の光ネットワークに要求される高速・小型のハイブリッド集積デバイスおよびこれらによる低消費電力・広帯域化に対応した光トランシーバの供給を目指す。
所感
古河電気工業は、古河電工グループ ビジョン2030を策定し、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めている。古河電気工業は、光通信分野において黎明期から続く光デバイス・光部品分野での長年の技術の蓄積を生かし、レーザダイオードモジュールやスプリッタなど高品質な製品を世界中へ供給しており、光通信の最先端領域の拡大に貢献している。本件M&Aは、古河電気工業のソリューション強化に資するものであり、今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆
以上