GENDA|M&A巧者の買収事例と成長戦略(2024年)

㈱GENDA(東証GRT9166)のM&A

サンダイの子会社化(2024年3月)
概要

九州地方でアミューズメント施設「スマイルステーション」及びアミューズメントレンタル事業(ミニロケ(スタッフの常駐しないゲームコーナー))等を運営する㈲サンダイ(資本金5百万円)を子会社化。

狙い

九州地方での店舗網拡大、人材資源やDXの知見共有による店舗運営の効率化、限定プライズの投入や店舗数の増加に伴うアミューズメントマシン及びプライズの購買力向上、承継店舗の売上増加。

アメックスの子会社化(2024年4月)
概要

愛知県及び岐阜県でアミューズメント施設「ゲームファンタジアン」を運営する㈱アメックス(資本金20百万円)を子会社化。

狙い

中部地方での店舗網拡大、人的資源やDXの知見共有による店舗運営の効率化、限定プライズの投入や店舗数の増加に伴うアミューズメントマシン及びプライズの購買力向上。

VAR LIVE JAPANのVRゲーム事業の譲受(2024年5月)
概要

VRゲーム筐体の販売・レンタルやVRコンテンツの開発・販売事業を展開する㈱VAR LIVE JAPANのVRゲーム事業(資産11百万円、負債3百万円)を譲受。

狙い

アーケード用VRゲーム筐体「VAR BOX」及びそれに付随する取引契約等を譲り受け、VAR BOXのロケーション展開(アミューズメント施設への更なる増台)、VAR BOXを利用した企画の推進。

National Entertainment Networkの子会社化(2024年6月)
概要

米国でミニロケ(スタッフが常駐しないゲームコーナー)事業を運営するNational Entertainment Network, LLCの親会社Claw Holdings, LLC(2023年12月期売上高100,276千USドル、営業利益3,079千USドル)の子会社化。

狙い

National Entertainment Networkが持つ巨大なネットワークに、1拠点当たりの売り上げがNational Entertainment Networkの3倍であるKiddleton(同社米国子会社)のノウハウを組み込み、メンテナンスネットワークの統合、現金回収やプライズ補充などのオペレーションの統合、Kiddletonを含む同社グループのプライズ調達機能及びゲーム機器調達機能の活用、クレジットカードリーダーの設置やデジタル会員制度を想定。

シトラムの子会社化(2024年6月)
概要

酒類輸入卸並びに国内販売業を手掛ける㈱シトラム(2023年11月期売上高2,290百万円、営業利益1,098百万円)を子会社化。

狙い

飲食業界における成長領域であるスピリッツ・リキュール市場に進出することへの足がかり、小売販売の強化、酒類販売を強化することで顧客へ提供できるエンタメ体験を拡大、サプライチェーン機能を統一することでF&B領域のサプライチェーンの最適化。

音通の子会社化(2024年6月)
概要

カラオケ関係事業、スポーツ事業、IP事業(コインパーキングの経営等)を手掛ける㈱音通(2024年3月期売上高4,418百万円、営業利益460百万円)の全株式を公開買付けにより取得し子会社化。

狙い

カラオケBanBan(同社子会社が運営)への機器導入の推進、ナイト市場(スナックやクラブなどの店舗)での規模の経済性の追求、音通による営業エリア及びメンテナンスネットワークの拡大、取扱機器台数の増加。

GENDAのM&Aの特徴・傾向

多様なエンターテイメント分野への進出

アミューズメント施設運営、VRコンテンツ、カラオケ機器、フード&ビバレッジ事業など、エンターテイメント関連の幅広い分野に渡るM&Aを実施。

グローバル展開

日本国内だけでなく、米国市場にも積極的に進出し、国際的なエンターテイメントネットワークの構築を目指している。

シナジー効果の追求

取得した企業や事業とのシナジー効果を重視し、経営資源や知見の共有を通じて、効率化や売上増加を図っている。

ロールアップ戦略

同業他社の買収を通じて市場シェアを拡大するロールアップ戦略を採用し、特定地域や分野での支配力を強化している。

エンタメ・プラットフォーム事業の強化

既存のエンターテイメントプラットフォーム事業を拡充し、新たな収益源を確保するためのM&Aを積極的に実施。

所感

同社のM&A戦略は、急速な事業拡大と市場支配力の強化を目指すものであり、特に日本のエンターテインメント業界における存在感を高めている。同社は、ゲームセンターの運営を中心に、関連するエンターテインメント施設やサービスを継続的に買収、これにより、同社は既存のインフラや顧客基盤を活用し、シナジー効果を最大限に引き出すことを狙っている。また、M&Aによる多角化戦略も推進しており、新たな収益源の確保とリスク分散を図っている。総じて、同社のM&A戦略は、短期間での市場シェア拡大と事業ポートフォリオの強化を目指した、積極的かつ計画的な成長戦略と言える。足元のPMIにおいては、すべてのゲームセンターで増収増益を達成するなど、着実な実績も残しており、今後の同社の活躍が大いに期待される。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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