概要
伊藤忠エネクス㈱(東証PRM8133)は、2023年4月28日、2031年3月期を最終年度とする8か年の中期経営計画「ENEX2030」を発表した。
2031年3月期の数値目標は、当期純利益200億円以上(2023年3月期実績138億円)、実質営業キャッシュ・フロー450億円(同372億円)、ROE9.0%以上(同9.3%)、新規・戦略投資(8年累計)2,100億円、とした。
施策
- 現場力の強化(全社員の力を結集、総合力の向上による収益モデルの進化、「権限移譲」の推進による現場における意思決定の迅速化、現場の頑張りパフォーマンスを評価する人事政策の導入)
- 投資実行体制の進化(投資案件の遂行力(案件分析・組成・実行・レビュー)強化、投資実行のプロフェッショナル組織としての「投資戦略室」設置)
- 組織・人材の強化(成長戦略の実現を可能とする人材の育成、従業員モチベーション向上のための人事・評価・表彰制度の実行、グループ連結経営の効率化)
所感
同社は日本国内を中心とした石油製品販売、LPガス・産業用ガス販売、電力販売、熱供給、車両販売等のビジネスを展開しているが、国内人口の減少による顧客減少や省エネルギー化、電気自動車の増加等により、取扱商品の販売量減少等の影響を受ける可能性があると認識している。また、脱炭素社会の実現に向けた環境配慮への対応が不可避であると同時に、炭素税の導入や温室効果ガス排出規制等の制約を受けることで、これまで以上の競争環境に晒されると予測している。本中期経営計画では、投資実行体制を強化し、2,100億円の新規・戦略投資を実行することで、上記逆風下においてトップラインを維持・拡大できるかどうかが鍵となる。LPガス販売事業や自動車関連事業等での積極的なM&Aに加え、次世代を担う新規事業のローンチが期待される。
以上
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