伊藤忠商事がコンピュータ・ネットワークシステム販売・保守の伊藤忠テクノソリューションズ㈱に対する公開買付けの開始を発表

概要

 伊藤忠商事㈱(東証PRM8001)は、2023年8月2日、コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、データセンターサービス、サポート等を手掛ける伊藤忠テクノソリューションズ㈱(東証PRM4739、2023年3月期資本合計3,056億円、資産合計5,280億円、売上収益5,709億円、営業利益464億円)を非公開化(完全子会社化)することを目的とする一連の取引の一環として、伊藤忠テクノソリューションズの普通株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。

狙い

 伊藤忠テクノソリューションズの属する業界を取り巻く市場環境・経営環境が大きく構造変化する中、伊藤忠テクノソリューションズが変化に対応し更なる企業価値の向上を実現するためには、既存のオーガニックな成長戦略に加えて、伊藤忠テクノソリューションズを含む伊藤忠商事グループの経営資源の迅速かつ柔軟な相互活用、非オーガニックな成長の実現やビジネスモデルの変革、事業領域/ケイパビリティの大幅かつ急速な拡充等が必須の状況にある。かかる状況下、伊藤忠商事と伊藤忠テクノソリューションズの間の構造的な利益相反関係を解消し、デジタルバリューチェーン拡充による事業基盤強化・高収益化、伊藤忠商事グループの経営資源を活用した伊藤忠テクノソリューションズの事業領域の拡大と成長戦略の加速、伊藤忠商事グループの総合力を活用した新たなシナジーの構築、を進める。

所感

 同社は、2024年3月期当期純利益7,800億円を計画し、内、同社情報・金融セグメントでは同780億円(2023年3月期実績646億円)を計画している。同社は、現在進行中の中期経営計画において、当初計画の当期純利益6,000億円を上回る当期純利益8,000億円の収益ステージを固めつつあるが、商品縦割りによる弊害を打破し、マーケットインによる事業変革を推し進めることによって、更なる高みを目指す。本件は、同社情報・金融セグメントの一段上の成長に挑戦するものであり、同社の更なる飛躍が期待される。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社株式(証券コード:4739)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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