概要
ケイティケイ㈱(東証STD3035)は、2023年10月3日、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表した。
現状評価
- ROE8.0%(2023年8月期)
- 株主資本コスト7~8%
- エクイティ・スプレッド1~0%
- 配当性向26.2%(2023年8月期)
- PER9.95倍(2023年8月期)
- PBR0.8倍(2023年8月期)
PBRが1倍を下回っている理由は、売上高がほぼ横ばいで成長期待に乏しく株主や投資家への魅力度・知名度が低いこと(これによりPERが低いこと)、利益率が低くROEが十分に株主資本コストを上回っていないことなどが影響している。
方針・取り組み
- 事業ポートフォリオの転換を図り、利益率を高め、ROE向上を目指す。同社の基盤事業であるサプライ事業については、利益体質を強化する。それと並行して、同社が成長事業と位置付ける、中小企業等のDXを支援するITソリューション事業に経営資源を投入して拡大を図り、ビジネスの高付加価値化を進める。これにより、グループ全体の利益率を向上させる。
- 事業活動や政策保有株式の縮減(売却)等で獲得したキャッシュを、成長投資と株主還元に配分する。成長投資は、ITソリューション事業の拡大に向けた人的資本の増強(人材の採用、リスキリング)や、DX(システム投資)など経営基盤の強化に振り向ける。また、M&Aにも継続的に取り組み、非連続の成長を目指す。
- 株主還元は、連結配当性向30%を目途とし、安定的な配当を実施する。2023年8月期から導入した株主優待制度もあわせ、株主への利益還元を強化する。
- 決算説明会、個人投資家向け説明会、IRイベント、株主懇談会など、株主・投資家との対話の機会を継続・拡充し、同社グループをより理解頂けるよう努める。
- 同社ウェブサイトやSNSなどの情報媒体を活用し、従来の財務情報に加え、サステナビリティなどの非財務情報を含めた情報発信を充実させる。
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所