概要
協和キリン㈱(東証PRM4151)は、2023年10月5日、造血幹細胞遺伝子治療の開発・商業化を手掛けるOrchard Therapeutics plc(2022年12月期純資産98,264千米ドル、総資産218,907千米ドル、売上高22,655千米ドル、営業利益▲127,088千米ドル)の株式を取得し子会社化すると発表した。
狙い
Orchardが開発した遺伝子治療のアプローチは、患者自身の造血幹細胞の遺伝子を改変し投与することを特徴としており、一度の投与で遺伝性疾患の根本的な原因を治す可能性がある。Orchardは、造血幹細胞遺伝子治療(hematopoietic stem cell gene therapy)のリーディング・プロバイダーとして、すでに欧州でライソゾーム病の適応を有する造血幹細胞遺伝子治療の製品を上市、また米国でも承認審査中であり、本領域において着実に実績を積んでいる。同社は、Orchardを買収し、同社バイオ医薬品に対する強みとOrchardが持つ細胞遺伝子治療研究に関する強みを掛け合わせることで、将来のアンメットメディカルニーズを満たす医薬品の開発およびLife-changingな価値の創出を目指す。
所感
同社は、2極化が進む製薬業界において新薬創出⼒で存在感を⽰す⽇本発のグローバル・スペシャリティファーマを目指しており、戦略的なパートナリング、M&A等積極的な外部資源の活⽤により、Life-changingな価値の創出につながるパイプラインの拡充や創薬技術の獲得を進める方針を打ち出している。本件M&Aは、同社ソリューションの強化拡大に資するものであり、同社の更なる飛躍が期待される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆
- 期待度☆☆
英国のバイオ医薬品企業Orchard Therapeutics plc社株式取得(子会社化)に向けた契約の締結に関するお知らせ
以上
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