M&A・アライアンス「創造度」ランキング(2026年1~3月期)

概要

2026年1~3月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5を発表する。(選定は三澤公認会計士事務所選定委員。対象は上場企業が当該期間にプレスリリースしたM&A・アライアンス案件。)

第5位
メタウォーターがプラント建設の水道機工㈱と資本業務提携

メタウォーター㈱(東証PRM9551)は、上水道施設浄水設備、下水道施設水処理設備、産業用水及び廃水施設水処理設備等の製造販売並びにメンテナンス保守・運転管理を手掛ける水道機工㈱(東証STD6403、2025年3月期純資産10,178百万円、総資産26,055百万円、売上高25,966百万円、営業利益1,479百万円)と資本業務提携。上水道分野の機械設備(特に急速ろ過方式による関連浄水設備)に強みを有する水道機工と、電機設備全般の技術を有するメタウォーターとの機電融合によるシナジーの創出を目指す。

第4位
AViCがライバーマネジメントの㈱Spicaの株式取得(子会社化)

㈱AViC(東証GRT9554)は、TikTok LIVEにおけるライバーマネジメント事業を手掛ける㈱Spica(2025年4月期純資産132百万円、総資産246百万円、売上高385百万円、営業利益213百万円)の株式を取得し子会社化。AViCが創業以来培ってきたデータ分析力とKPI管理に基づくPDCAサイクルのノウハウをSpicaのライバーマネジメント事業に注入することで、ライバーの獲得効率の向上やプロデュース体制の最適化を図る。

第3位
酉島製作所が蒸気タービン・プロセスポンプの新日本造機㈱の株式取得(子会社化)

㈱酉島製作所(東証PRM6363)は、蒸気タービン・プロセスポンプの製造・販売事業を手掛ける新日本造機㈱(2025年12月期純資産33,799百万円、総資産42,344百万円、売上高19,167百万円、営業利益2,395百万円)の株式を取得し子会社化。新日本造機の製品競争力・技術力と酉島製作所が有するグローバルネットワーク・運営ノウハウを融合、流体を扱う回転機械の総合メーカーとしてグローバル市場における競争力を一層強化する。

第2位
清水建設が海洋土木のあおみ建設㈱の株式取得(子会社化)

清水建設㈱(東証PRM1803)は、海洋土木、内陸土木、地盤改良、浚渫埋立工事ならびに地域開発、都市開発、海洋開発の企画・設計・施工・監理・コンサルティング業務、環境整備、公害防止事業の企画・設計・施工、鉱物資源、エネルギー資源ならびに海洋資源の調査・開発を手掛けるあおみ建設㈱(2025年3月期純資産27,252百万円、総資産38,003百万円、売上高31,484百万円、営業利益1,363百万円)の株式を取得し子会社化。あおみ建設の建設事業者としての経営ノウハウ・経営資源を獲得、土木事業分野及び今後市場の成長が期待される洋上風力事業分野における協働・融合を図ることで企業価値の向上を目指す。

第1位
キッツが産業用特殊バルブの㈱ブイテックスの株式取得(子会社化)

㈱キッツ(東証P6498)は、産業用特殊バルブの開発・製造、ラプチャーディスク(破裂板)の製造を手掛ける㈱ブイテックス(2025年3月期純資産3,270百万円、総資産9,820百万円、売上高8,502百万円、営業利益395百万円)の株式を取得し子会社化。ブイテックスが保有する真空バルブ関連技術は、㈱キッツエスシーティーで培ってきた半導体装置向け技術と高い親和性を有しており、先端プロセスに対応する製品の強化に寄与、半導体分野において中長期的な成長基盤の確立を目指す。

2026年1~3月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5
  • 第1位:キッツが産業用特殊バルブの㈱ブイテックスの株式取得(子会社化)
  • 第2位:清水建設が海洋土木のあおみ建設㈱の株式取得(子会社化)
  • 第3位:酉島製作所が蒸気タービン・プロセスポンプの新日本造機㈱の株式取得(子会社化)
  • 第4位:AViCがライバーマネジメントの㈱Spicaの株式取得(子会社化)
  • 第5位:メタウォーターがプラント建設の水道機工㈱と資本業務提携
総評

2026年1~3月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングは、各業界の市場トレンド(半導体需要拡大、脱炭素、インフラ老朽化、SNS経済圏拡大)を的確に捉えた、シナジー重視の非常に手堅いM&A事例が上位を占めた。第1位:キッツ。半導体分野(真空バルブ)での製品ラインナップの補完と技術開発力の強化を狙った戦略的一手。第2位:清水建設。土木事業の基盤強化に加え、今後拡大が見込まれる洋上風力発電などのグリーン成長分野を推進。第3位:酉島製作所。製品・技術の相互補完により、総合回転機械メーカーとしてグローバル市場での競争力強化。第4位:AViC。変化の激しいネット広告事業への依存を分散し、成長性の高いライブ配信領域で安定収益の柱。第5位:メタウォーター。水処理技術・ノウハウを結集し、国内外の上下水道インフラ事業で垂直統合、相乗効果を最大化。キッツ、酉島製作所、メタウォーターの取り組みは、コア事業のバリューチェーン強化とグローバル化を推進するものであり、自社の強みを更に尖らせる戦略的買収と言える。尚、キッツは対象企業をカナデビア㈱(東証PRM7004)から買収、酉島製作所は対象企業を住友重機械工業㈱(東証PRM6302)から買収、メタウォーターは対象企業の親会社である東レ㈱(東証PRM3402)と併せて資本業務提携と締結するなど、大手資本同士の合従連衡が進んだ点も見逃せない。また、清水建設、AViCの取り組みは、次世代の成長・安定基盤への積極投資を進めるもの。建設業界やマーケティング業界ではM&Aが頻発しており、M&A巧者が勝ち残り、成長する構図が続く。各社の今後の取り組みと更なるM&A・アライアンス施策から目が離せない。

以上

競合他社が次のM&Aを仕掛ける前に、貴社の選択肢を一度整理してみませんか?

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M&Aの成否を分けるのは、「どのようなシナジー(創造度)が描けるか」に尽きます。しかし、固定観念に縛られた自社だけで、客観的な成長ストーリーや最適なパートナー企業を見極めることは、決して容易ではありません。もしかしたら、そこに社外の「第三者」の視点が入ることで、業界をリードする新たな「ひらめき」が見出せるかもしれません。

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