概要
三菱製鋼㈱(東証PRM5632)は、2023年5月18日、2026年3月期を最終年度とする3か年の「2023中期経営計画」を発表した。
2026年3月期の数値目標は、売上高1,850億円(2023年3月期実績1,705億円)、営業利益110億円(同55億円)、ROE8%(同5.1%)、とした。
施策
- 特殊鋼鋼材事業:海外比率を高めて国内市場縮小リスクに備える。国内鋼材のポートフォリオ改革で収益性を改善。営業系DXの推進により顧客満足度を向上。
- ばね事業:稼ぐ力の強化。商用車用板ばねの軽量化と拡販。精密部品の用途拡大。
- 素形材事業:事業ポートフォリオを特殊合金粉末に大きくシフト。タイ事業(精密鋳造・メタルパーツ)の採算確保。
- 機器装置事業:洋上風力発電関連機器の国産化対応。エネルギー関連機器事業の拡大。サーキュラーエコノミーに向けた磁選機事業の展開。
所感
同社は、原料炭、スクラップ、合金鉄などの資材価格やエネルギー価格が高騰した際も、価格転嫁の時期ズレを短縮し、適切なマージンを確保することが最優先課題と捉えている。マージンの維持拡大には、高付加価値の投入等製品力の強化、不採算事業の縮小等製品ポートフォリオの見直しの他、工場DXの導入や拠点統廃合を含めた効率化等製造コスト削減が必要となる。同社は、環境対応、EVシフト、海外事業に人・モノ・金を重点的に配分。フルキャパのJATIM(インドネシア)や特殊合金粉末の増産投資や、大型製品製造を視野にした設備投資を推進することで、更なる成長が期待される。
以上
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