日本特殊陶業が金属材料の東芝マテリアル㈱の株式取得(子会社化)を発表

概要

 日本特殊陶業㈱(東証PRM5334)は、2024年11月25日、金属材料・部品、ファインセラミックス部品、化学材料、応用製品の開発・製造・販売を手掛ける東芝マテリアル㈱(2024年3月期純資産4,914百万円、総資産35,800百万円、売上高34,540百万円、営業利益5,486百万円)の株式を㈱東芝より取得し子会社化すると発表した。

狙い

 東芝マテリアルは、ファインセラミックス、蛍光材料応用製品、磁性材料部品、タングステン・モリブデンなどの部品・材料の開発、製造、販売を行っている。特に、EV等向けベアリングに使用される窒化ケイ素ボールやインバーター向けパワー半導体に用いられる窒化ケイ素放熱基板においては、優れた技術・品質と安定した生産能力を有している。日本特殊陶業は、東芝マテリアルを買収することで、東芝マテリアルが車載・半導体・医療・環境エネルギー分野などで長年培ってきた材料設計技術、プロセス技術及び製品応用技術等の活用による事業基盤の強化を目指す。

所感

 日本特殊陶業は、セラミック素材技術をはじめとするコア・コンピタンスを核としながら新しい分野へのチャレンジを図り、主力の内燃機関事業を強固にすると同時に、非内燃機関事業の規模拡大を図る両輪での事業展開を大きな戦略テーマと掲げ、新規事業の創出に取り組んでいる。新規事業については、「環境・エネルギー」「モビリティ」「医療」「情報通信」の4分野を注力領域と捉え、セラミック素材技術と親和性の高い領域・事業から本格的な事業化に向けた投資及び製品開発を進めている。中でも窒化ケイ素を利用した電気自動車等のモーター用軸受けのセラミックボールでは、システム電圧の高電圧化に伴い市場が拡大しており、そのほかパワー半導体用の窒化ケイ素放熱基板なども有力な事業候補と捉えている。本件M&Aは、日本特殊陶業の事業領域拡大に資する戦略的M&Aであり、日本特殊陶業の更なる成長が期待される。

  • 挑戦度☆☆☆
  • 戦略度☆☆☆
  • 期待度☆☆☆

東芝マテリアル株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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