日本農薬と出光興産|発想の業務提携M&A

概要

 日本農薬㈱(東証PRM4997、2024年3月期純資産80,396百万円、総資産157,983百万円、売上高103,033百万円、営業利益7,438百万円)と、出光興産㈱(東証PRM5019、2024年3月期純資産1,812,531百万円、総資産5,012,295百万円、売上高8,719,201百万円、営業利益346,316百万円)の両社が、業務提携したと仮定した場合に想定される具体的な提携効果について検討する。

日本農薬の事業内容
  • 農薬事業:殺虫剤、殺菌剤、除草剤などの農薬の研究開発・製造・販売。
  • 医薬品・動物用医薬品事業:水虫薬などの外用抗真菌剤やペット用ノミ・ダニ防除剤などの開発・販売。
  • 化学品事業:シロアリ駆除剤などの住宅関連薬剤の開発・販売。
出光興産の事業内容
  • 燃料油事業:原油の調達・精製、燃料の供給。
  • 基礎化学品事業:石油化学製品の原料の製造・販売。
  • 高機能材事業:潤滑油、電子材料(有機EL材料など)、エンジニアリングプラスチック、機能舗装材などの開発・製造・販売。
  • 電力・再生可能エネルギー事業:バイオマス、風力、太陽光、地熱などの再生可能エネルギーや天然ガス火力発電所を運営し、電力の供給・販売。
  • 資源事業:海外での石油・天然ガスの探鉱・開発・生産、石炭の安定供給、バイオマス燃料の開発・製造、地熱発電所の運営。
想定される提携効果
  • バイオ由来農薬の開発・拡大:出光興産の化学品・バイオ技術と、日本農薬の農業向け技術を融合することで、環境負荷の低いバイオ農薬や持続可能な農業資材の開発が可能になる。
  • 国内外の農業市場での事業拡大:出光興産のグローバルな販売網と、日本農薬の農薬・農業資材の専門技術を活用し、国内外の農業市場における販路拡大や新規市場の開拓を促進できる。
  • カーボンニュートラル・環境対応型農業の推進:出光興産の再生可能エネルギーや脱炭素技術を農業分野に応用することで、農薬生産の省エネ化や、環境負荷の低い持続可能な農業の実現に貢献できる。
所感

 日本農薬と出光興産の提携は、農薬や化学製品の開発・拡大を実現する上で非常に大きな可能性を秘めている。特に、出光興産の化学品・バイオ技術と、日本農薬の農業向け技術を組み合わせることで、競争力の高い製品の開発が期待できる。なお、出光興産は、新剤開発加速のため、2024年12月に、土壌消毒剤、害虫防除剤、病害防除剤等 農業薬品の製造・販売を手掛けるアグロカネショウ㈱の株式を公開買付けにより取得し子会社化している。日本農薬と出光興産の今後の戦略的な取り組みが注目される。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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