会社売却は秘密を守りながら進めることができる
会社売却(M&A)を考え始めたオーナー経営者から、「会社売却を検討していることが社内や外部にバレませんか?」という質問を頂くことがあります。
秘密保持はM&Aの鉄則であり、我々M&Aアドバイザーは、秘密保持、情報漏洩の防止には細心の注意を払ってアドバイザリー業務にあたっています。
以下、会社売却における「秘密保持」について、オーナー経営者からよく頂く質問をQ&A形式で分かりやすく解説します。
Q1 会社の売却を検討していることが外部に漏れない?
会社の売却を検討していることが外部に漏れることは基本的にありません。但し、秘密保持義務違反を犯す者が100%ゼロかというと、必ずしもそうではない実態がある現実も頭の片隅に入れておく必要があります。
最初に、売り手と我々M&Aアドバイザーとの関係から説明しますと、両者の間には「秘密保持契約(M&Aアドバイザリー契約)」が締結されるのが通常です。この契約では、「この取り組みにおいて知り得た情報(秘密情報)をお互いが目的外に利用したり他に漏らすことが明確に禁止」されます。従って、M&Aアドバイザーが、売り手から得た情報を他に漏らすことはありません。尚、公認会計士(公認会計士事務所)は、弁護士等の他の国家資格者同様、公認会計士法第27条(秘密を守る義務)により常に高度な秘密保持義務を負っており、秘密保持契約(アドバイザリー契約)の締結の有無に関わらず、売り手から得た情報を他に漏らすことはありません。
買い手(買い手候補)が秘密情報を漏洩させるリスクについてですが、これについては、我々M&Aアドバイザーの買い手探索に掛る取り組み、即ち、我々M&Aアドバイザーと買い手との関係を理解頂く必要があります。先ず、我々M&Aアドバイザーが買い手候補に対して会社取得の提案を行う際は、初期的に、売り手の社名を出さない「ノンネームシート(匿名会社概要シート)」を用いて打診します。ノンネームシートは、売り手の社名を出さないことはもとより、売り手がどの会社か特定されないように配慮して作成されるものなので、この段階で秘密情報が漏洩することはありません。次に、ノンネームシートによる打診により「一定の会社取得意欲」が確認された買い手候補に対しては、具体的な売り手の会社名等の各種情報を開示するステップに進むことになりますが、この際は、買い手候補に対して秘密保持誓約書の提出を義務付けています。即ち、我々M&Aアドバイザーは、買い手候補に秘密保持義務を課した上で、売り手に関する情報を提供してます。従って、この段階においても秘密情報が漏洩することはありません。((参考)M&Aディールプロセス(セルサイド視点))
上記の取り組みを行っている以上、原則的には売り手の情報が漏洩するリスクは無いのですが、実務上、情報漏洩が100%ゼロかというと、必ずしもそうではない実態があります。即ち、「秘密保持義務違反を犯す者」が少なからず存在する実態があります。実際に、20年超のM&Aアドバイザリー実務経験の中においても、片手で数えるくらいの情報漏洩は実際に起こっています。情報漏洩を犯すM&Aアドバイザーは論外として、買い手候補(経営陣、従業員等)が情報漏洩を犯す可能性、買い手候補の関係者(グループ会社、各種アドバイザー等)が情報漏洩を犯す可能性等が考えられる訳ですが、情報漏洩者の特定は極めて困難です。我々M&Aアドバイザーとしては、日常から、「信用のある買い手候補(上場企業、M&A検討実績のある企業、M&A専属部門・担当者のいる企業等)にのみ提案する」ことに努めていますが、それでも、情報漏洩を100%ゼロにすることはできません。
オーナー経営者におかれましては、情報漏洩リスクを過度に心配する必要はありませんが、会社売却の取り組みを行う以上、万一の状況があるということを頭の片隅に入れておく必要があります。尚、典型的な例は、オーナー経営者が、同業の社長や取引先などから「会社の売却を検討しているんですって?」と不意に話しかけられるケースです。彼らは、何の悪気もなく、興味本位で聞いてくることがほとんどですが、万一、このような機会に遭遇した場合は、「明確に否定」してください。肯定したり、曖昧な態度を取ってしまうと、情報が拡散する恐れがあります。たとえば、上場企業同士のM&Aにおいても、稀に情報が漏洩し、新聞等にリークされるようなことがありますが、当事者はプレスリリース等を出して即座に「そのような事実は無い」と否定します。このような対応が原則であることを、頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
Q2 会社の売却を検討していることが社内に知られない?
会社の売却を検討していることが社内に知られることは基本的にありません。但し、最新の注意を払って取り組みにあたる必要があります。
会社売却の取り組みについては、基本的に、「オーナー経営者と我々M&Aアドバイザーのみ」で進めることが原則です。この取り組みに従業員は含めません(従業員の助けは借りません)(但し、例外有り)。我々M&Aアドバイザーが、売り手の従業員とコミュニケーションを取ったり、何かしらの指示やお願いをすることもありません。各種資料(決算データ等)の準備についても、原則として、オーナー経営者自らが行って頂くものとし、オーナー経営者から従業員に指示を出して準備させるにしても、「決算の関係で」、「税務調査の関係で」、「経営コンサルティングの関係で」等M&A以外の要件を伝えた上で準備させます。また、我々M&Aアドバイザーや買い手候補が売り手のオフィスなどに訪問させて頂く際も、社名や要件を伏せるなどして、「M&Aの件」と悟られないように、細心の注意を払います。従って、会社の売却を検討していることが社内に知られることはありません。
話は少しそれますが、売り手の顧問税理士に対しては、タイミングを見て会社売却を検討している事実を伝えるケースが多いです。これは、特に、デューディリジェンス等のフェーズに入ってくると、顧問税理士のサポート(資料・決算データ等準備、質疑応答)が必要になってくるためです。税理士は、当然に、秘密保持義務を負う立場にあるので、情報漏洩リスクはありません。
Q3 会社を売却することを従業員や取引先にはいつ伝える?
従業員や取引先への会社売却の報告は、会社売却の直前、または、会社売却の直後に行います。これは、買い手とすり合わせて行うことが一般的です。尚、会社売却の直前に行う場合は、情報漏洩リスクはゼロではありません。万一、情報が漏洩しても会社売却の取り組みに影響がないほどに最終段階に至っていること、或いは、情報が漏洩しないよう口頭にて厳重に説明を行う等の対応が必要になります。((参考)会社売却後Q&A|オーナー・従業員・取引先はどうなる?オーナー経営者のよくある質問)
情報漏洩リスクを最小限に留める観点からは、従業員や取引先への会社売却の報告は、会社売却後に行うことがベストです。但し、会社売却後も従業員として必ず残留してもらわなければ困る「キーマン」に対してや、主要得意先、チェンジオブコントロール条項(会社売却が実現した際に契約内容の見直しや解除を可能にする契約条項)を定めた各種契約を締結している取引先に対しては、会社売却前に会社売却の報告を行う必要性が生じることがあります。この場合は、M&Aアドバイザーと報告のタイミングを相談した上で、丁寧な対応を行うことが求められます。
以上
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- ②会社売却買い手Q&A|自分の会社を買う会社はある?オーナー経営者のよくある質問
- ③会社売却タイミング・準備Q&A|今売るべき?何を準備すればいい?オーナー経営者のよくある質問
- ④会社売却後Q&A|オーナー・従業員・取引先はどうなる?オーナー経営者のよくある質問
※会社売却価格は会社ごとに異なります。個別に知りたい方はお気軽にご相談ください。

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- 秘密保持:当事務所は、公認会計士法第27条(秘密を守る義務)により秘密保持義務を負っており、伺った情報・データが漏洩することはございません。秘密保持契約(NDA)締結前の段階でも、ご提供頂いた情報・データが漏洩することはございません。
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