プレミアアンチエイジングが中期経営計画「2024-2027+Beyond」を発表

概要

 プレミアアンチエイジング㈱(東証GRT4934)は、2023年9月14日、2027年7月期を最終年度とする4か年の中期経営計画中期経営計画「2024-2027+Beyond」を発表した。

 2027年7月期の数値目標は、連結売上高400億円(2023年7月期実績264億円)、連結営業利益率10%以上(同▲2.3%)、とした。

施策
  • 主要3ブランド(デュオ/カナデル/クレイエンス):中期経営計画のテーマに据えた「Unique な価値」の体現を徹底させ、各市場におけるブランドの「Uniqueさ」を再定義し、各市場を独自に成長させるようなマーケティング・商品戦略を強化する。既に国内でマーケットリーダーの地位を獲得しているデュオは、より高付加価値なポジションを狙うとともに、グローバル展開を強化する。カナデルは、収益ブランドとして利益構造の見直しを進めながら、オールインワンカテゴリーながら、若い年代層からも支持されるUniqueなポジションを強化するとともに、機能的価値を鮮明にする新商品開発に注力する。クレイエンスは、トライアルから継続利用までのSKUラインナップが整ったため、獲得・チャネルの拡大に力を入れ、成長投資を進める。
  • 育成ブランド/ベネクス:アンチエイジングプラットフォームの構想に基づき、男性向けスキンケア、高濃度ビタミンC、インナーケア等、各成長市場に向けて Unique なブランドを展開する。既存会員のブランドのクロス利用と通販モデルを組み合わせて堅実な初期成長を実現した後、成長投資やマルチチャネルへの展開には段階的な投資判断の仕組みを設けており、健全な競争環境の中から、数年後の新たな主要ブランドを生み出す。2023年にグループ入りしたベネクスは、国内で今後成長が期待されるリカバリーウェア市場におけるパイオニアブランド。大手資本の参入が相次ぐ同市場において唯一の医療機器認定を受けており、価格競争から距離を置いたUniqueな高付加価値ブランドとして、同社のマーケティングノウハウやチャネルの各リソースを共有して更なる成長を実現する。
  • チャネル戦略:デジタル広告の獲得競争環境が厳しさを増す中、定期会員の継続利用への投資を積極的に行うとともに、ブランド間クロスセルを強化して会員基盤の価値最大化をはかり、新規と既存の収益構造バランスを改革する。リテールはこれまでの配荷店拡大をもとにしたセルイン型から、POS(Point Of Sales販売時点情報管理)と店舗単価の強化を重視したセルアウト型へシフトする。卸売先企業との連携を深め、チャネルに最適な商品企画や売り場作りにも積極的に取り組む。海外事業については、これまでの探索で10か国以上に拡がった対象市場を、国内インバウンド需要とも関連性が大きい中華圏の国・地域に絞り込む。越境ECと一般貿易を組み合わせて展開し、その地域に合わせたブランド認知が浸透する戦略を現地パートナーと推進する。アンチエイジングやブランドと相性の良い新チャネル開拓も重要と捉え、「持たざる経営」のコンセプトを重視し、既にチャネルネットワークを持つ、異業種の企業との共創を起点に進める。
  • 共創戦略(資本を活用したM&Aや提携):リカバリーウェア市場のような第2・第3の新たな成長分野や、Uniqueな価値に共感するベンチャー企業・ブランドを探索した上で、グループ資産やネットワークをレバレッジして、ジョイントベンチャーの組成やM&A等、他社との共創を起点にした成長を積み重ねる。
  • コスト構造改善:2023年7月期の下期にかけて在庫や撤退ブランドの評価損等を計上し、組織・財務上の懸念へ対応することで2024年7月期に黒字化を目指す。原価や物流費は、2024年問題や原材料高騰の環境変化リスクを考慮しながら、厳格な原価コントロールや配送の効率化に取り組み、着実な削減を目指す。固定費は、既に2027年7月期相当の事業規模を前提に組織・インフラの構築を進めてきたことを踏まえ、組織全体の生産性向上とシステムインフラの適正化を進めることで削減を見込んでいる。2027年7月期に営業利益率10%以上の水準へ到達する。
所感

 同社2023年7月期業績は、スキンケア事業主力の「デュオ」(クレンジングバーム)が、クレンジング市場全体でバーム剤型からオイル剤型へのシフト継続、低価格バーム商品への流出も止まらず売上の減少傾向が続き、一部ブランドの撤退、海外事業の戦略見直し、一部製品の棚卸資産評価損計上等から、営業赤字に転落した。本中期経営計画では、主要3ブランド(デュオ/カナデル/クレイエンス)の強化立て直し、コスト構造改革、リカバリーウェア市場のような第2・第3の新たな成長分野の育成等を進めることで、早期黒字化回復を目指すと共に、再成長への足掛かりを築く。同社の今後の取り組みが注目される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆
  • 期待度☆☆

中期経営計画「2024-2027 +Beyond」策定に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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