概要
㈱レスター(東証PRM3156)は、2024年8月9日、エンジニアリング事業、プロダクト/デバイス事業、ICTソリューション事業を手掛けるPCIホールディングス㈱(東証STD3918、2023年9月期純資産9,098百万円、総資産17,627百万円、売上高28,491百万円、営業利益1,709百万円)を連結子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、PCIホールディングスの普通株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。
狙い
- 市場の深化/拡大による製造業向けビジネス拡大:両社が強みを有する「車載」「産機」「ICT」市場等の深掘りに加え、相互補完できる市場の広がり(海外・民生・建機・セキュリティ、他)や、レスターが有する優良な顧客基盤への直接的なコネクション活用によるビジネス拡大。
- 技術リソースの質・量拡充:独力での新規採用が困難な技術者の増強により、既存ビジネスの規模と技術領域(システム構築・AI・画像処理・通信、他)の拡大。
- 企画提案力強化によるSIer上流プロセスへの展開:両社が展開するハードウェア・ソフトウェアのソリューション提案力の向上及び顧客への直接的なビジネス機会増加による企画提案等の上流プロセスへの展開加速。
- 経営基盤の強化とスケールメリット:レスターが有する純資産900億円規模の財務基盤に基づく事業拡大(運転資本・成長投資)、規模の効果による各種コストの削減・圧縮。
- 産機/医療市場等に強みのあるレスターグループの㈱PALTEKや㈱レスターエンベデッドソリューションズを中心としたソードが取り扱う商材の拡販体制強化。
- デバイスビジネスユニットへのFAE支援拡大、半導体設計・信頼性関連事業の集約、その他両社事業の最適配置等によるプリバテックの事業強化。
- システムビジネスユニット及びスマートソリューションに関連する事業との連携、レスターの資本業務提携先であるSBIホールディングス㈱やセキュリティ企業との協業によるPCIソリューションズの技術活用と上流プロセス参入推進。
- レスターのプラットフォーム基盤構築(投資総額40億円規模/5年)、グループIT部門機能を通じた、PCIソリューションズの機能活用。
所感
レスターは、デバイスビジネスユニット(半導体・電子部品及び関連商材の販売他)及びシステムビジネスユニット(映像・音響・通信・計測のソリューションの販売他)の2つのセグメントにて事業を展開。経営理念に掲げる「情報と技術で、新しい価値、サービスを創造・提供し、社会の発展に貢献する」というミッションのもと、「あらゆるニーズに対応できるエレクトロニクスの情報プラットフォーマーを目指す」というビジョンに対し、事業間シナジー及び外部パートナーとの積極的な共創、多様な事業展開、技術領域の伸展、持続的な規模拡大を進めている。本件M&Aは、レスターソリューションの強化拡大に資するものであり、レスターの更なる飛躍が期待される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
PCIホールディングス株式会社株式(証券コード:3918)に対する公開買付けの開始及び同社との資本業務提携契約の締結に関するお知らせ
以上