イエローハットが中期経営計画(2026年3月期ー2028年3月期)を発表

概要

 ㈱イエローハット(東証PRM9882)は、2025年1月31日、2028年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(2026年3月期ー2028年3月期)を発表した。

 2028年3月期の数値目標は、売上高1,800億円(2024年3月期実績1,466億円)、営業利益168億円(同144億円)、ROE10%以上(同9.2%)、とした。

施策
  • エリア戦略・出店戦略:自動車が日常移動手段の地域に、小商圏・ローコストで出店し、採算を確保。これに向け出店バリュエーションを増やし、地域に最適な出店を行うディーラーやガソリンスタンドの減少が続いており、住居近隣に店舗を持つことで、地域住民の生活に欠かせないインフラとなる出店数は2026年3月期からの3年間でイエローハット店舗52店の出店を計画。
  • 店舗戦略・商品戦略:自社ECでの商品販売と店頭での取付をシームレスに行う体制を整備。PC・スマホ未使用者には電話による来店予約を受け付け、来店後スムーズに取付作業や車検を実施。商品はECと店舗との連携により、ECでは幅広い商品展開や車種専用商品を充実、店舗ではお手頃価格品を強化し、顧客の商品選択の幅を広げる。
  • ロイヤルカスタマーの育成:中期経営期間中にDXを深化させ、新規会員のリピート率を上げることで、売上増加を図る。リピート率を上げるため、同社の会員情報やPOSデータを統合管理して、顧客が求める商品情報を、顧客が求めるタイミングで提供。
  • 整備士(ピット作業者)の育成戦略:オイル・タイヤなどの交換・取付業務や車検の強化に向けて、整備士・検査員の人材育成も強化、4年間で400人の増員を目指す。資格取得促進のため、講習や研修の増加に加えて、資格取得者の資格手当の引き上げや処遇改善による離職防止を図る。また、指定工場数を240店、認証工場を280店、合計520店に増やす。
  • 2輪事業の強化(2りんかん・バイク館 +ワイ ズロード):国内2輪市場は長期縮小傾向ではあるものの、保有台数に比して店舗が少ない地域があることや地場バイクショップの撤退による店舗数増は可能。接客と整備作業には高い専門性が必要とされるため、人材育成は必須であり、重点項目であると認識。既存店においても売上・利益増のために各施策を実行。
M&Aニーズ
  • 部品卸、バイク卸。
  • 整備工場、バイク店、自転車店。
所感

 同社は、自動車が日常移動手段である地域への出店の積極化と、顧客ニーズに沿った品揃えにより、「クルマの総合メンテナンス企業」であるという認識を広める方針を打ち出している。具体的には、継続的に同社店舗でオイル交換を行う顧客を、タイヤなど他の消耗品の販売や交換、車検・整備につなげ、リピート率向上を図る他、2輪事業にも注力する。同社の今後の取り組みが注目される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆

中期経営計画策定に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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