概要
三菱マテリアル㈱(東証PRM5711)は、2024年5月30日、ドイツでタングステン粉、タングステンカーバイド粉、タングステンケミカルの製造、販売およびリサイクルを手掛けるH.C. Starck Holding (Germany) GmbH(2023年度純資産4,362百万円、総資産57,644百万円、売上高55,362百万円、営業利益▲1,578百万円)の株式を取得し子会社化すると発表した。
狙い
H.C.Starckは100年以上の歴史を有する世界有数のタングステン製品メーカー、主にタングステン粉、タングステンカーバイド粉およびその合金を素材とする高品質粉末を欧州、北米、中国で製造・販売し、日本においても販売網を有する等、各地域で存在感を示していることに加え、世界最大級のタングステンリサイクル能力を保有している。同社は、H.C.Starckを買収することで、日本、欧州、北米、中国の4大市場においてタングステン事業の拠点を有することになり、日本新金属㈱(連結子会社)とH.C.Starckの連携による研究開発力の強化、クロスセルの推進、リサイクル技術・能力の活用等を通じたシナジー創出と企業価値向上を目指すとともに、タングステンリサイクルのグローバルな事業展開につなげる。
所感
同社は、中期経営戦略2030において、「グローバルで顧客が認めるタングステン製品のリーディングカンパニー」となることを事業戦略のひとつとし、タングステンを主原料とする超硬工具においては、グローバルでの使用済み超硬工具の回収やリサイクル能力の確保に向けた取り組みを進めている。本件M&Aは同社タングステン事業の競争力強化に資するものであり、同社の更なる飛躍が期待される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
H.C.Starck Holding の株式取得に関する契約締結について
以上
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