概要
㈱ひらまつ(東証STD2764)は、2025年1月14日、2031年3月期を最終年度とする6か年の中期経営計画(2025-2031)を発表した。
2031年3月期の数値目標は、売上高133億円(2024年3月期実績138億円)、営業利益13億円(同2億円)、ROE16%(同▲3%)、とした。
施策
- 新人事制度の策定:プロフェッショナル集団個々の特性・強みを活かした複線化されたキャリアパスプログラム職制・評価・報酬制度を再構築し、それぞれの階層に応じた研修・育成プランの拡充により成長を把握しながらキャリアアップを図る。また、キャリアごとの適正な報酬や賞与、退職金制度など、魅力的な報酬体系を実現する。
- レストラン新店:コンセプトレストラン、ブラッスリー、オステリアなどを中心に展開を計画。東名阪のマーケットを中心に展開し、最優先マーケットである東京は①外部評価サイトにて高単価・高評価店舗の割合が高いエリア②賃料平均坪単価3万円以下のエリアを軸に商業施設だけでなく、路面での探索を行う。
- 既存店リニューアル:老朽改装だけでなく、価値を向上させるためのリニューアルを行う。
- ホテル事業のオーベルジュの展開:地方に点在する食材が豊富な景勝地や観光地にて、宿泊施設を伴ったレストランとして、オーベルジュスタイルでの出店を計画。地域固有の食材を活かした更なる料理の価値向上(グローバルに対応するグルテンフリー・ビーガン対応も強化)、インバウンド対応が可能な人財の採用と育成強化、追加投資による施設の充実、アクティビティなどの体験価値創出、滞在価値の向上を図る。
- ウエディング新市場創出:新たなウエディングのトレンドとして、少人数高価格帯「スモールラグジュアリーウエディング」の市場を創造し、市場トップシェアを目指す。
- THEHIRAMATSU(フラッグシップ)出店:店舗・教育・ラボ機能を持つ施設およびフラッグシップ店舗の出店。
- 知的財産ビジネス:他社の開業支援コンサルティングやハイブランドのオペレーター受託を事業とするビジネスを本格展開。
- 海外展開:東アジアを中心にTHEHIRAMATSUによる出店を計画。賃貸契約等による出店のみならず、現地の企業、有力者とJV形式も視野にいれる。
- 新業態開発:製造工程を見直して、従来と同様の価値を提供しつつ収益を向上させる業態を開発。
M&Aニーズ
- 外食、フードテック企業。
所感
ひらまつは、本中期経営計画にて新たにパーパスを「美しい味を、未来へ」と定め、レストラン及びホテルの運営事業を展開。同社最大の強みでありパーパスの重要な要素でもある「業界最高レベルの料理人・サービス人の集団」を一層強化するために人財戦略を大きな柱の一つとし、事業戦略との相乗効果により大きな価値創造に取り組む。2024年7月1日にはホテル資産を譲渡し運営受託(MC契約)に移行しており、運営に特化したビジネスモデルへの抜本的な転換を図るなど、同社の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆
以上