概要
塩野義製薬㈱(東証PRM4507)は、2023年6月26日、感染症領域における医薬品の研究・開発を手掛ける米国Qpex Biopharma Inc.の全株式を取得し子会社化すると発表した。
狙い
Qpex社は、薬剤耐性(Antimicrobial resistance、AMR)を持つ細菌を標的とする新規抗菌薬の創薬・開発に焦点を当てた製薬企業であり、多様なβ-ラクタマーゼに対して広域阻害スペクトラムを有する新規β-ラクタマーゼ阻害剤であるボロン酸誘導体Xeruborbactamを創出している。同社は、Qpex社の買収によって、Xeruborbactamの独占的開発・製造・販売権をグローバルで獲得、深刻化するAMRと戦うためにXeruborbactamと他の抗菌薬との組み合わせで開発を推進、抗菌薬の研究・開発経験が豊富な人材を獲得し米国における感染症創薬をドライブできる体制の構築、BARDAをはじめとする各規制当局、学術的なパートナーなど、Qpex社の貴重な外部ネットワークの取り込みによる感染症領域におけるパートナリングやパイプライン拡大の機会創出と研究戦略の加速化、を図る。
所感
同社は、パンデミック対応を含む急性感染症、薬剤耐性(AMR)感染症、治療に長期間を要する感染症、長期化する感染症の予後管理等を念頭に、感染症領域を中心にグローバルでのトップライン成長を目指し、積極投資による成長ドライバー育成を図っていく方針を打ち出している。本件M&Aによって、同社感染症領域におけるソリューションが強化され、同社の更なる飛躍が期待される。
米国Qpex Biopharma社の完全子会社化に関するお知らせ
以上
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