概要
㈱オートバックスセブン(東証PRM9832)は、2024年8月8日、四輪自動車・二輪自動車の販売・修理、自動車部品・自動車用品の販売等を手掛ける㈱東葛ホールディングス(東証STD2754、2024年3月期純資産5,308百万円、総資産7,982百万円、売上高8,539百万円、営業利益527百万円)を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、東葛ホールディングスの普通株式及び新株予約権を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。
狙い
- Hondaブランドの取り扱い:オートバックスセブンは、現在Audi及びBYDの正規ディーラーを運営している。この度、日本のブランドであるHonda正規ディーラー運営を開始することにより、今後のディーラー事業の更なる成長・拡大を図る。東葛ホールディングスの主要取引先である本田技研工業が掲げる、Hondaフィロソフィーの基本理念である「人間尊重」及び「三つの喜び」が、オートバックスセブンの経営理念・行動理念に通じるものがあること、また、本田技研工業は、Super GT等の国内レース活動をともに戦ってきたパートナー企業であり、Hondaブランドは、オートバックスセブンにとって親近感・親和性を感じるブランドであることにより、オートバックスセブンにとってHondaブランドは非常に魅力的であり、本取引により、オートバックスセブンは、東葛ホールディングスを通じてHonda車を販売するといったことが可能になる等、オートバックスセブン及び東葛ホールディングスにとってシナジー効果が得られる。
- ディーラー事業の更なる進化:オートバックスセブンは、東葛ホールディングスにおいてディーラー事業を営むホンダカーズ東葛を、千葉エリアの中核企業へと成長・拡大させていくことを考えている。具体的には、東葛ホールディングスが長年をかけて構築してきた事業基盤をベースに、東葛ホールディングス及び本田技研工業と綿密に協議を重ねた上で、①CI対応(新しい店舗デザインへの変更対応)をはじめとするHondaディーラーネットワークへの投資や、採用及び教育といった人への投資を積極的に行い、東葛ホールディングスにおける販売店を、Honda販売店の模範店となるよう進化させること、②顧客のニーズと自動車産業の大きな変化を的確に捉えながら、既存のディーラーのビジネスモデルの枠組みに捉われることなく、新たなディーラーのビジネスモデルを模索し、これらに対して積極的に投資を行い、挑戦し続けること、また、これらの活動を通じて、従業員のパラダイムシフトを促し、それにより従業員の成長やエンゲージメントの向上にも繋げる。
所感
オートバックスセブンは、国内の一般消費者に対して自動車の販売及びサービスを提供するディーラー事業については、今後も積極的に投資を行い事業拡大を図っていくべき重要な事業領域と位置付けている。2023年には、ビー・エム・ダブリュー㈱との間で国内のBMW/MINI正規ディーラー事業の展開について協議を重ねた結果、㈱アウトプラッツおよび㈱モトーレン栃木の株式を譲渡したが、再度、ディーラー事業を強化する。本件M&Aは、オートバックスセブンディーラー事業の競争力強化に資する戦略的なM&Aであり、オートバックスセブンの更なる飛躍が期待される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
株式会社オートバックスセブンの子会社である株式会社オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスによる株式会社東葛ホールディングス(証券コード:2754)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
以上