ERIホールディングス|M&A巧者の買収事例と成長戦略(2025年)

ERIホールディングス㈱(東証STD6083)のM&Aの特徴・傾向

  • ソリューション事業領域の拡充:従来の「確認検査・評価・格付け」に加え、既存建築物の調査・インフラ老朽化対策・環境対応といったソリューション分野を成長ドライバーに位置づけており、M&Aの多くがこの事業領域を補完・拡張することを狙っている。
  • 地域密着型の展開(北海道・近畿圏が重点ターゲット):特に北海道エリアにおけるM&Aが顕著で、2022年以降5社を子会社化(北洋設備設計事務所は後に譲渡)。中期経営計画に基づく地域密着型のインフラ事業体制を構築し、地方自治体の公共事業に伴走する地盤形成を狙っている。
  • BIM/CIM・3D測量などデジタル領域への投資:2023年以降は、M&Aを通じて、BIM/CIMモデリング、3D測量、デジタルツイン設計への投資を進めている。
  • 中小規模・非上場企業の買収:社員数数十名規模・売上数億~数十億円レベルの非上場、中小事業者を対象としたアライアンスに注力している。

ERIホールディングスのM&A実績

① 道建コンサルタントの子会社化(2022年)
概要

 北海道伊達市に本社を構え、建設コンサルタント業・測量業を手掛ける道建コンサルタント㈱(2022年3月純資産194百万円、総資産313百万円、売上高271百万円)を子会社化。

狙い

 道建コンサルタントは、北海道を基盤とする建設コンサルタント会社として、長年にわたり地域の公共事業の円滑な推進に貢献。ERIホールディングスは、道建コンサルタントを買収することで、北海道における土木インフラ関連事業を強化、地域公共事業への貢献を通じてグループのインフラ・ストック分野の事業拡大を図る。新中期経営計画の柱として掲げる「地域貢献型M&A」の一環。

② 森林環境リアライズの子会社化(2022年)
概要

 札幌市に本社を置き、森林土木を強みとする建設コンサルタント業を手掛ける森林環境リアライズ㈱(2021年6月純資産185百万円、総資産199百万円、売上高351百万円)を子会社化。

狙い

 ERIホールディングスは、北海道での建設コンサル事業展開において森林・自然環境領域に強みを持つ森林環境リアライズを買収することで、地域の基盤整備と自然環境保全の両立を図る体制を整備。道建コンサルタントとも連携し、北海道内でのプレゼンスをさらに高める。

③ 日建コンサルタントの子会社化(2022年)
概要

 札幌市に本社を置き、建設コンサルタント業・測量業を手がける日建コンサルタント㈱(2021年8月純資産169百万円、総資産192百万円、売上高112百万円)を子会社化。

狙い

 ERIホールディングスは、日建コンサルタントと買収することで、中期経営計画に掲げる「インフラ・ストック分野の事業領域拡大」「M&Aの積極的活用」の一環として、北海道における土木インフラ事業の体制を強化。地域の公共事業の推進を支援し、同地域における基盤整備への貢献とグループの企業価値向上を目指す。

④ 北洋設備設計事務所の子会社化(2023年)
概要

 札幌市で公共建築物の設計・施工監理、省エネ診断、耐震診断、補償コンサルタントなどを手掛ける㈱北洋設備設計事務所(2022年3月純資産111百万円、総資産323百万円、売上高202百万円)を子会社化。

狙い

 北洋設備設計事務所は、公共建築物の設計業務に加えて、建築ストックの調査診断・省エネ診断や補償コンサルタント業務を営んでいる。ERIホールディングスは、北洋設備設計事務所を買収することで、北海道地域の社会基盤整備に取り組み、企業価値向上を図る。

⑤ アジアコンサルタントの子会社化(2023年)
概要

 三重県を基盤に、建設コンサルタント業を手掛けるアジアコンサルタント㈱(2023年3月純資産200百万円、総資産308百万円、売上高202百万円)を子会社化。

狙い

 ERIホールディングスは、三重県を基盤とする建設コンサルタント会社であるアジアコンサルタントを買収することで、近畿地方における土木インフラ関連事業の体制を強化し、地域基盤整備への貢献を目指す。

⑥ 福田水文センターの子会社化(2024年)
概要

 北海道札幌市に拠点を置き、水環境の調査・分析やインフラの計画設計等を手がける㈱福田水文センター(2023年3月純資産1,493百万円、総資産2,871百万円、売上高1,831百万円、営業利益290百万円)を子会社化。

狙い

 福田水文センターは、北海道や東北を中心に河川環境の建設コンサルタント、環境調査測量、環境分析試験業を提供している。ERIホールディングスは、福田水文センターを買収することで、グループ内の連携を通じて北海道地域に根差した土木・環境事業をより一層推進する。また、福田水文センターが有する水環境領域の知見と、ERIホールディングスのインフラ検査・評価技術を組み合わせることで、社会の安全・安心に資する統合的なソリューションの提供を目指す。

⑦ 国土工営コンサルタンツの子会社化(2024年)
概要

 大阪府大阪市に本社を置き、橋梁他構造物の設計、点検調査、補修・補強設計を手掛ける国土工営コンサルタンツ㈱2023年(業績非公表)を子会社化。

狙い

 ERIホールディングスは、国土工営コンサルタンツを買収することで、地域における土木インフラ関連事業を力強く推進、国土工営コンサルタンツのBIM/CIMモデリングに関する専門性を活かして、ERIホールディングス内のBIM/CIM活用の一層の促進を図る。

⑧ 花田設計事務所の子会社化(2024年)
概要

 兵庫県に本社を置き、プラント設備のBIMモデリング、3D測量を手掛ける(有)花田設計事務所(業績非公表)を子会社化。

狙い

 花田設計事務所は、プラント設備設計を専門に取り扱う会社として、先端デバイスによる3D測量をBIMモデリングに活用して設計プロセスの効率化に資する事業を展開。ERIホールディングスは、花田設計事務所を買収することで、3D測量とBIM/CIMのモデリング技術を融合したデジタルツインによるコンサルティング事業を、ERIホールディングスが取り組む住宅・建築から土木インフラ、プラント、環境関連の事業に至るまで、幅広い分野で展開することを目指す。

⑨ タイトー建築・設備検査センターの子会社化(2025年)
概要

 東京都に本社を置き、建築設備定期検査、特定建築物定期調査、防火設備定期検査、消防設備点検等を手掛ける㈱タイトー建築・設備検査センター(業績非公表)を子会社化。

狙い

 タイトー建築・設備検査センターは、創業以来40年以上にわたって、建築基準法第12条に定める建築設備の定期検査、特定建築物定期調査など、既存建築物の安全を支えるために欠くことのできない点検・調査業務を専門に展開。ERIホールディングスは、タイトー建築・設備検査センターを買収することで、定期報告業務の拡大を図る。

所感

 ERIホールディングスは、単なる事業補完としてのM&Aにとどまらず、「地域密着」「専門領域の深化」「DXの推進」さらに「検査→調査→コンサル→設計→維持」へと至るバリューチェーン構築を企図したM&Aを志向している。これらは、中期経営計画においても明確に位置付けられた戦略的取り組みであり、実際に2020年以降、2025年5月末時点までに時価総額は約3倍に拡大するなど、マーケットからも極めて高い評価を得ている。ERIホールディングスの今後のM&A戦略が大いに注目されると共に、ERIホールディングスの更なる飛躍が期待される。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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