BuySell Technologiesと楽天グループ|発想の業務提携M&A

概要

 ㈱BuySell Technologies(東証GRT7685、2023年12月期純資産8,610百万円、総資産21,320百万円、売上高42,574百万円、営業利益2,796百万円)と、楽天グループ㈱(東証PRM4755、2023年12月期資本合計1,087,723百万円、資産合計22,625,576百万円、売上収益2,071,315百万円、営業利益▲212,857百万円)の両社が、業務提携したと仮定した場合に想定される具体的な提携効果について検討する。

BuySell Technologiesの事業内容
  • 着物・ブランド品等リユース事業。
楽天グループの事業内容
  • インターネットサービス:インターネット・ショッピングモール「楽天市場」をはじめとする各種ECサイト、フリマアプリ「ラクマ」、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等。
  • フィンテック:クレジットカード関連サービス、インターネットを介した銀行及び証券サービス、暗号資産(仮想通貨)の媒介、生命保険サービス、損害保険サービス、電子マネーサービスの提供等。
  • モバイル:通信サービス及び通信技術の提供並びに電力供給サービスの運営等。
想定される提携効果
  • プラットフォーム融合による利便性向上:BuySell Technologiesの出張買取や査定サービスを、楽天グループの「楽天市場」やフリマアプリ「ラクマ」に統合することで、楽天グループユーザーにリユース品売却の利便性を提供する。これにより、BuySell Technologiesの買取件数が増加し、楽天グループは顧客のエンゲージメント向上を図る。また、BuySell Technologiesは、買取した商品を楽天市場で再販売することで、二次流通市場を活性化し、収益性を向上させる。
  • ラクマの競争力強化:ラクマユーザーに、BuySell Technologiesの出張買取サービスや宅配買取サービスに直接アプローチできる仕組みを提供。個人売買が難しい高額商品(骨董品、ブランド品、着物など)についてプロ査定サービスを提供することで、ラクマユーザーの選択肢を広げ、取引の安心感を高める。また、ラクマの取引で未販売の商品や売却が困難な商品については、査定結果に基づき、BuySell Technologiesが直接買い取ることで取引の効率化を実現する。
  • 楽天ポイントとの連携:BuySell Technologiesの買取サービスで得た代金を楽天ポイントで受け取る選択肢を提供することで、楽天経済圏内でのポイント循環を促進する。楽天市場や楽天ペイなど他のサービスの利用を促進するため、楽天グループの顧客基盤がさらに拡大する。
  • マーケティング最適化:BuySell Technologiesのリユース品の買取データと楽天グループのECデータを統合することで、ユーザーの消費動向をより深く分析する。これにより、マーケティング活動の最適化や、顧客のニーズに応じたカスタマイズサービスの提供を強化する。
  • 物流効率化とコスト削減:BuySell Technologiesの物流ネットワークを楽天グループの配送インフラと統合することで、物流コスト削減やスピードアップを図る。特に、地方から都市部への流通(買取品の回収)を効率化することで、両社の物流資源を最大限活用する。
所感 

 BuySell Technologiesと楽天グループが業務提携することで、ユーザー体験の向上、買取・販売機会の拡大、サステナブルな取引の促進等が期待できる。特に、フリマアプリ「ラクマ」の競争力強化とBuySell Technologiesの顧客基盤拡大が期待できる。BuySell Technologiesと楽天グループの今後の戦略的な取り組みが大いに注目される。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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