キリンホールディングスが化粧品・健康食品の㈱ファンケルに対する公開買付けの開始を発表

概要

 キリンホールディングス㈱(東証PRM2503)は、2024年6月14日、化粧品・健康食品の研究開発、製造及び販売を手掛ける㈱ファンケル(東証PRM4921、2024年3月期純資産80,533百万円、総資産110,728百万円、売上高110,881百万円、営業利益12,570百万円)を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、ファンケルの普通株式等を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。

狙い
  • チャネルシナジー:両社グループの国内の広範な販売網を活用した商品展開。ファンケルの完全子会社化に伴う競合関係解消による統合的な販売戦略の推進。同社グループの事業領域のうち「食」、「ヘルスサイエンス」だけでなく「医」において充足されていないスキンケアニーズへの価値提案。
  • ベストプラクティス共有シナジー:同社グループのリサーチマーケティング力、商品開発力や組織管理のノウハウの活用。EC・通信販売インフラ共有による購買データ活用機能強化や効率化。
  • 海外展開シナジー:同社グループのアジア・パシフィックにわたるグローバルな事業基盤(販路、レギュレーション知見、人財)を活用したファンケルの海外展開加速。
  • 技術シナジー:同社グループの免疫研究成果、独自素材をファンケルグループの化粧品及びサプリメントへ展開し活用範囲を拡大するなど、既に一定の成果が出ている共同研究を深化させることによる差別優位性の高い商品開発と市場創造のさらなる推進。ファンケルグループの体内吸収効率技術の同社グループ製品への活用。
  • 機能共通化・共有化シナジー:サプリメント製造拠点や物流網、企画・IT・総務・財務等の管理部門の共通化・連携強化。
  • ESGシナジー:環境技術、パッケージング技術の水平展開によるESGの取り組み強化。
所感

 同社は、ファンケルと2019年8月に資本業務提携し、「素材・商品・ブランド開発」、「共同研究・事業開発の推進」、「インフラの相互利用」において、シナジー創出のための協働を行ってきた。本件M&Aは、両社の資本関係を更に前進させ、シナジー創出のための柔軟かつ抜本的な施策を行うことを可能とするものであり、「健康」という社会課題に迅速に対応することで同社の更なる飛躍が期待される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆

株式会社ファンケル株券等(証券コード 4921)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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