概要
三菱電機㈱(東証PRM6503)は、2024年8月8日、画像処理システムの開発・製造・販売・保守サービスを手掛けるヴィスコ・テクノロジーズ㈱(東証STD6698、2024年3月期純資産3,301百万円、総資産4,537百万円、売上高3,203百万円、営業利益▲91百万円)を完全子会社化するための取引の一環として、フィスコ・テクノロジーズの普通株式及び新株予約権を公開買付けにより取得することを発表した。
狙い
ヴィスコ・テクノロジーズは、筐体画像処理装置の開発、製造及び販売を行っている。ヴィスコ・テクノロジーズが製造する筐体型画像処理検査装置は、筐体、カメラ、レンズ、照明等で構成されており、検査対象物、検査内容、検査条件、処理速度、設置条件等、顧客の検査ニーズに応じた最適なシステムの提案とアドバイスを行っている。
同社は、ヴィスコ・テクノロジーズの高度な画像処理技術と自社の産業機器技術を融合させ、新たな価値を創出し、競争力を強化する。また、本件買収を通じて中期経営計画の実現を加速し、成長分野である半導体や脱炭素(二次電池)、自動車関連市場でのプレゼンスを高める。具体的には、短期的には AI 等の新しい技術を活用しながら他産業での更なる品質向上に貢献し、中長期的には同社のFA機器とヴィスコ・テクノロジーズのマシンビジョン技術を融合することで、デジタル技術活用による自動化、省人化を目的としたFAトータルソリューションを共創する。
所感
同社は、ヴィスコ・テクノロジーズの画像処理技術と同社産業機器事業とのシナジーを追求することで、特に半導体や自動車関連分野での競争力強化を目指す。また、ヴィスコ・テクノロジーズの完全子会社化によって意思決定の迅速化と柔軟な経営が可能となり、ヴィスコ・テクノロジーズの成長を促進しつつ、同社の中核事業との連携強化を図る。本件M&Aは、グローバル市場における競争力の強化とともに、両社の技術力を結集することで新たな付加価値の提供が期待される戦略的M&Aであり、同社の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社株券等(証券コード 6698)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ
以上