概要
SCSK㈱(東証PRM9719)は、2024年11月6日、情報インフラ構築及び関連サービスを提供するネットワンシステムズ㈱(2024年3月期純資産76,814百万円、総資産164,909百万円、売上高205,127百万円、営業利益19,533百万円)を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、ネットワンシステムズの普通株式及び新株予約権を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。
狙い
- SCSKの主要顧客に対し、新たな顧客関係性に基づく新たな顧客戦略を遂行し、アプリケーションから IT インフラまで統合したサービスを提供し、また、共通する顧客に対し、顧客内シェア拡大による戦略的な IT サービスパートナーとしてのポジションを確立。
- SCSKの 8,000 社の顧客基盤に対する、ネットワンシステムズのネットワークインテグレーションサービスを中核とするITインフラサービスの展開による事業拡大。
- ネットワンシステムズのエンタープライズ市場における主要顧客に対する、SCSKグループのシステム開発・保守・運用サービス提供による事業拡大及びSCSKデータセンターとネットワンシステムズのセキュリティ技術を組み合わせた高度化されたマネージドサービスの提供。
- ネットワンシステムズが得意とするパブリック市場顧客(自治体、教育委員会、独立行政法人等)に対する、SCSKグループのソリューション(ヘルプデスク、BPO 等)の組み合わせによるサービス提供及びパブリック市場向けアプリケーションサービス開発による新たな事業領域の開拓。
- ネットワンシステムズのネットワーク・セキュリティ技術(設計・構築)とSCSKの住友商事グループ向けに提供してきたセキュリティ運用・監視の人材・ノウハウ、SIEMを中心としたサービスの組合せによる総合的なセキュリティ領域全体を一気通貫でカバーするサービス提供による事業拡大。
- ネットワンシステムズ及びSCSKの物販事業の統合による、主要ベンダーに対する購買力向上による原価低減及び業務プロセス統合による効率化。
- ネットワンシステムズの取り扱うグローバルスタンダード製品やインテグレーション力とSCSKのグローバル事業基盤を組合せたアジア市場への事業展開。
- SCSKの米国拠点における先端技術リサーチ機能・コーポレートベンチャーキャピタル機能とネットワンシステムズの IT インフラ領域における先端技術、サービスに対する目利き力の組合せによる、商材発掘力、事業開発力の強化。
- 両社の知見・知財の統合による、アプリケーション・インフラ垂直統合モデル等の新たなデジタルサービスの開発、及び新たな市場に向けた共同展開。
所感
SCSKは、「産業IT」「金融IT」「ITソリューション」「ITプラットフォーム」「ITマネジメント」及び「その他」の報告セグメントに係る事業の連携により、ITコンサルティング、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO等のサービスを提供。SCSKは、「中期経営計画(FY2023-2025)」において、「お客様や社会に対して新しい価値を提供し続けるための事業分野・事業モデルの再構築」、「社員の成長が会社の成長ドライバーと認識した上での社員一人ひとりの市場価値の常なる最大化」を掲げ、総合的企業価値を飛躍的に向上することを目指している。本件M&Aは、SCSKのアプリケーション領域事業及びITインフラ領域事業の強化拡大に資する取り組みであり、SCSKの今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
ネットワンシステムズ株式会社(証券コード: 7518)に対する公開買付けの開始及び資金の借入れに関するお知らせ
以上