概要
第一生命ホールディングス㈱(東証PRM8750、2024年3月期純資産3,882,157百万円、総資産67,540,309百万円、経常収益11,028,166百万円、経常利益539,006百万円)と、㈱アイリックコーポレーション(東証GRT7325、2024年6月期純資産3,677百万円、総資産5,185百万円、売上高7,921百万円、営業利益495百万円)の両社が、業務提携したと仮定した場合に想定される具体的な提携効果について検討する。
第一生命ホールディングスの事業内容
- 国内外における生命保険事業。
- 投資運用業、投資助言・代理業。
- 福利厚生事業、パーソナル事業、CRM事業、ヘルスケア事業、インセンティブ事業、購買・精算代行事業、ペイメント事業。
アイリックコーポレーションの事業内容
- 個人及び法人向けの保険販売事業。
- 保険代理店やその他の保険販売会社に対して保険に関するソリューションを提供するソリューション事業。
- システム事業。
想定される提携効果
- 販売チャネルの拡大:第一生命ホールディングスは全国的な営業ネットワークを有しており、その顧客基盤を活かしてアイリックコーポレーションが展開する「保険クリニック(来店型保険ショップ)」の利用を促進することで、アイリックコーポレーションの保険販売事業が拡大。
- デジタル戦略の強化:アイリックコーポレーションが開発する「保険IQシステム(比較分析システム)」や「ASシステム(保険証券分析システム)」といった各種分析システムを、第一生命ホールディングスの販売網に導入することで、営業効率向上と、より精度の高い保険提案。
- 顧客体験の向上:第一生命ホールディングスの顧客向けサービスに「保険クリニック」を組み込むことで、保険契約の管理や見直しが容易になり、顧客の利便性が向上。また、アイリックコーポレーションの子会社㈱インフォディオが手掛ける「スマートOCR(紙の文書や帳票をスキャン・撮影された画像データからテキストデータを抽出するクラウド型業務効率化支援ソリューション)」を活用することで、契約手続きを簡素化。
- BtoB向けサービスの強化:第一生命ホールディングスの法人顧客向けの福利厚生事業において、アイリックコーポレーションのソリューションを活用することで、企業向けの保険提案や管理業務が効率化。
所感
第一生命ホールディングスとアイリックコーポレーションが業務提携すれば、両社の強みを活かした新たな価値創出を目指すことが可能となり、保険販売の効率化と顧客体験の向上が実現する可能性が高い。デジタル戦略の強化や法人向けサービスの拡充により、業界のリーディングカンパニーとして、今後の更なる成長が期待される特色ある提携となる。M&Aを含む両社の今後の戦略的な取り組みが大いに注目される。
以上