概要
日本の主要なブロックチェーン・Web3企業である、㈱CAICA DIGITAL(東証STD2315、2024年10月期純資産1,659百万円、総資産2,425百万円、売上高5,606百万円、営業利益▲159百万円)、㈱gumi(東証PRM3903、2024年4月期純資産12,242百万円、総資産19,332百万円、売上高12,066百万円、営業利益▲5,040百万円)、㈱アクセル(東証STD6730、2024年3月期純資産12,891百万円、総資産15,574百万円、売上高17,570百万円、営業利益2,426百万円)の3社は、それぞれ独自の経営戦略を展開している。3社のブロックチェーン・Web3事業に関する戦略をまとめ、共通点と相違点を整理する。
CAICA DIGITALの経営戦略
CAICA DIGITALは、金融業界向けのシステム開発やデジタルトランスフォーメーションソリューションを提供。特に、暗号資産およびNFT(非代替性トークン)の基幹技術であるブロックチェーン技術を活用したWeb3ビジネスの拡大に注力しており、システム構築のプロフェッショナル集団として、新規ビジネス提案、PoC(実証実験)実施支援、ブロックチェーンコンサルティング、インフラ構築からアプリケーションの設計まで、顧客の様々な要望に柔軟に対応している。中期的には、NFTローンチパッドの「Zaif INO(一次販売に特化した審査制NFT販売サービス)」を突破口として、GameFiの分野で市場をリードする。
gumiの経営戦略
gumiは、モバイルオンラインゲームの開発・運営を主力とし、近年ではブロックチェーン技術を活用したゲームやNFT事業に参入。モバイルオンラインゲームで培ったノウハウと、ブロックチェーンやXR(クロスリアリティ、現実世界とデジタルな仮想世界の融合)等のテクノロジーを活用し、新たなエンターテインメントコンテンツの創出を目指す。また、市場黎明期からの事業参入により培った「目利き力」を活用し、グローバル規模にて良質なトークンを獲得・運用するなど、積極的な事業展開を行っている。
アクセルの経営戦略
アクセルは、研究開発型の企業集団として、半導体関連製品の開発・販売、特に、組み込み機器向けグラフィックスLSI(大規模集積回路)の開発に注力、高性能な半導体技術を提供し、ゲームや映像分野などでの需要に応えている。また、AIやブロックチェーン等の先進技術を活用した製品開発やソ リューションを提供。ブロックチェーン分野では、ブロックチェーンで何ができるかを体感できるアプリケーション「ブロックチェーン・ショーケース」を提供、ブロックチェーン開発支援サービス、マイニングハードウェアの開発販売を行っている。
3社の共通点
- 技術革新への取り組み:ブロックチェーン技術を含む最新技術を活用した製品・サービスの提供に注力している。
3社の相違点
- 事業領域:CAICA DIGITALは金融サービス、gumiはゲーム開発、アクセルは半導体製品を主力事業としており、各社のブロックチェーン技術の応用分野が異なる。
所感
CAICA DIGITAL、gumi、アクセルのブロックチェーン・Web3企業3社は、それぞれの得意領域に関する知見と強みを活かしつつ、技術革新を積極的に取り入れて事業を展開している。 今後は、特に、金融、エンターテインメント、生産情報管理、物流、エネルギー、不動産取引等の分野での新たな価値の創出が期待される。 各社の独自性、技術力、市場創出力に加え、M&A・アライアンスの取り組みから目が離せない。
以上
