ウェルネオシュガーが砂糖製造販売の東洋精糖㈱に対する公開買付けの開始を発表

概要

 ウェルネオシュガー㈱(東証PRM2117)は、2025年2月6日、砂糖の製造及び販売、機能素材の製造及び販売を手掛ける東洋精糖㈱(東証STD2107、2024年3月期純資産11,152百万円、総資産13,696百万円、売上高17,407百万円、営業利益1,018百万円)を完全子会社化することを目的とする一連の取引の一環として、東洋精糖の普通株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表した。

狙い
  • 砂糖事業の競争力強化:需給や市況の変化が激しい製糖業界において、ウェルネオシュガーと東洋精糖が一体となることで、質的・量的に業界におけるリーディングカンパニーの一翼となり、東洋精糖の砂糖事業の競争力を強化する。原料の共同調達、ウェルネオシュガーと東洋精糖における製造ノウハウの活用、ウェルネオシュガーと東洋精糖の生産拠点のうち最適な拠点からの物流・販売の実現など、ウェルネオシュガーと東洋精糖で協力して最適なサプライチェーンを構築することで、サステナブルかつ競争力のある、供給体制が構築でき、また、より競争力のある商品を提供することを通じて消費者にメリットを提供する。加えて、ウェルネオシュガーはきびオリゴやきび砂糖等、砂糖事業においても付加価値品の拡販を進めており、東洋精糖の販売製品の高付加価値化も今後検討する。また、ウェルネオシュガーはデジタル化による砂糖事業の生産性改善を推進しており、東洋精糖の砂糖事業のデジタル化も進める。
  • 機能素材での統合シナジー:原料の共同調達、ウェルネオシュガーと東洋精糖における製造ノウハウの活用、ウェルネオシュガーと東洋精糖の生産拠点のうち最適な拠点からの販売の実現などを通じて、バリューチェーンのより一層の強化を進める。また、研究開発段階から両社が情報共有することで、製品開発のスピードを加速させる、研究開発戦略においても、ひとつのグループとして一体性、統一性のある方向性を打ち出すことができ、多様な機能素材の創出につなげる。
  • コーポレートシナジー:総務、経理、人事、監査等の本社機能及び情報システムを両社で共通化・一体化することで、経営機能及び管理体制を効率化する。東洋精糖は、毎年、上場に伴う経費として、監査報酬、証券代行委託事務費用、その他の支出を行っている他、コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、上場株式関連業務のために管理部門人員の一定時間を投入しているものの、本取引による非上場化がなされれば、かかる上場コストの削減や、管理部門に割かれている人材の有効活用等をなすことが期待できること、また、相互にノウハウを共有することで、両社グループの人的資本経営の更なる強化につなげる。
所感

 ウェルネオシュガーは、主に製糖事業及びフードサイエンス事業を展開。製糖事業は、「カップ印」、「クルルマーク」、「セブン印」ブランドの砂糖の製造・販売を行っており、生産拠点は、関東地方、中部地方、関西地方、九州地方に有する。一方のフードサイエンス事業は、機能素材、食品添加物、可食フィルム、糖由来・甘味料関連の製造・販売を行っている。本件M&Aは、ウェルネオシュガーの競争力強化に資する戦略的M&Aであり、ウェルネオシュガーの今後の取り組みが注目される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆☆☆
  • 期待度☆☆

東洋精糖株式会社(証券コード 2107)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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