概要
㈱Orchestra Holdings(東証PRM6533)は、2024年9月20日、スマートフォンゲーム、コンシューマーゲームの開発・運営受託を手掛ける㈱ランド・ホー(2024年5月期純資産67百万円、総資産539百万円、売上高1,296百万円、営業利益△199百万円)の株式を取得し子会社化すると発表した。
狙い
ランド・ホーは、市場規模が2兆円以上規模の国内ゲーム市場で、ゲームの開発・運営受託事業を手掛けており、プラットフォーム問わず、様々なジャンルにおけるゲーム開発の実績を有している。
- 採用育成による体制強化:Orchestra Holdingsは、エンジニアの採用や育成に強みを有しており、これらのノウハウをランド・ホーで活用することにより、さらなる体制の強化、拡大を図る。
- 3DモデリングやCG技術のDX推進サービス:ランド・ホーがゲーム開発を通して培ってきた高度な3Dモデリングや3DCGの技術をDX推進サービスとして提供することで、クライアント企業のDX化支援をさらに拡大することを目指す。
- メタバースマーケティング領域への参入:ランド・ホーは2023年12月より、ロブロックスにおける開発・運営の受託事業へ参入している。ロブロックスは世界最大級のメタバース/ゲーミングプラットフォームの1つであり、メタバースの世界市場は2021年に4兆2,640億円だったものが2030年には78兆8,705億円まで拡大すると予想されている。メタバースはメディアやエンターテインメントだけではなく、教育、小売りなど様々な領域で活用されていくと期待されている。その中でロブロックスは、1日当たりのアクティブユーザー数が約8000万人であり、Z世代のユーザーが多数集まるプラットフォームとしても注目されている。ランド・ホーが手掛けているロブロックスにおける開発・運営の受託事業とOrchestra Holdingsがデジタルマーケティング事業で培ったノウハウを組み合わせることで、ロブロックスを活用したプロモーションを開発からマーケティングまで一気通貫で支援し、今後急成長するメタバースマーケティングの領域に参入する。
所感
Orchestra Holdingsは、戦略立案から提案・実行、データ分析まで、デジタル マーケティングの端から端までを一気通貫で提供するデジタルマーケティング事業と、クラウドやオープン系のプロダクト・技術や専門性の高いソフトウェアテスト技術を駆使して、幅広い業種のクライアント企業のDX化を支援するデジタルトランスフォーメーション事業を提供している。本件M&Aは、デジタルマーケティング事業およびDX事業の強化成長に資する取り組みであり、過去のM&A実績からも、シナジー創出が期待される。Orchestra Holdingsの今後のM&Aおよびアライアンス戦略が注目される。
- 挑戦度☆☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
以上