概要
荒川化学工業㈱(東証PRM4968)は、2025年2月28日、硫酸酸性温泉紅藻 Galdieria sp.等の微細藻類の生産、研究開発、Galdieria sp.による貴金属、レアメタル、その他金属の回収技術の開発、吸着剤製造、微細藻類の色素等代謝物の生産、化粧品、食品への応用に関する研究開発、植物、微細藻類の環境関連技術開発、その他バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発を手掛ける㈱ガルデリア(資本金269百万円)との資本業務提携を発表した。
狙い
ガルデリアは、温泉に生息する微細藻類Galdieria(ガルディエリア)の研究開発を通じて、地球規模の社会課題の解決に取り組んでいる。Galdieriaは他の微細藻類と比しても圧倒的に効率の良い培養能力、高温・高酸性といった極限環境下でも生育可能で、細胞表面には貴金属を選択的に吸着する能力を持つことから、都市鉱山や工場廃液からの貴金属リサイクルにおける革新的技術として期待されている。また、良質な内容成分の食品応用、光合成培養などによるCO2削減を通じて、循環経済の実現、地球環境の改善、食糧問題の解決への貢献を目指している。荒川化学工業は、ガルデリアと資本業務提携することで、ガルデリアが有する微細藻類技術と荒川化学工業が有するコア技術を連携、微細藻類Galdieriaの大量・商業生産の早期実現と微細藻類を使用した商品・システムの開発によるライフサイエンス分野の市場開拓を目指す。
所感
荒川化学工業は、2025年度を最終年度とする第5次中期経営実行計画における重点課題として、新規事業の創出を掲げており、松や微細藻類などのバイオマス由来の素材をベースにした用途開発により、ライフサイエンス(医療、農業、コスメ)等への事業領域の拡大を図っている。本件資本業務提携は、荒川化学工業のソリューション強化に資する戦略的資本業務提携であり、荒川化学工業の更なる成長が期待される。
- 挑戦度☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆
以上