クラダシが中期経営計画(2025年6月期~2027年6月期)を発表

概要

 ㈱クラダシ(東証GRT5884)は、2024年8月8日、2027年6月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(2025年6月期-2027年6月期)を発表した。

 2027年6月期の数値目標は、売上高10,000百万円(2024年6月期実績2,862百万円)、EBITDA500百万円(同53百万円)、とした。

施策
  • EC事業の拡大:パートナー企業と消費者双方の関係強化を通じて、フードロス削減を推進。商品ラインナップの強化、価格競争力の向上、配送力強化及びリードタイム短縮によるマーケットプレイスモデルへの注力により、既存の1,829社のパートナー企業から食品関連会社2.5万社へリーチする。また、同様にデジタルマーケティングコアファン施策により、55万人の会員から潜在顧客へのリーチを図る。フードロス削減に貢献するプラットフォームの強化を図る。
  • サプライチェーンにおける機能拡張:オンライン販売及びブランディングノウハウを食品メーカーなどに提供し、クライアント企業のブランド価値を高めつつ、自社のメディア効果を最大化する。また、食品EC運用ノウハウ及び食品メーカーとのリレーションを活かして、難易度の高い食品のEC物流サービスを提供する。食品流通の課題を解消しつつ、1.5次流通として同社モール出品への導線を創出し、他モールとの差別化を図る。さらに、同社の蓄積データやサプライヤーとのリレーションを活用し、サステナブルなPB商品開発や定期便といったサプライチェーン上流でフードロスが出ない仕組みを構築する。
  • 非連続成長:M&Aを活用し、関連事業の拡大や新規事業の創出による成長加速を目指す。
M&Aニーズ
  • EC事業(商品製造企業、商品設計(PB)、食品EC事業)
  • サプライチェーン機能拡張(ECサイト運営、EC戦略コンサルティング、ブランドソリューション、販売チャネルの拡充(オンオフ)、倉庫事業、運送事業)
所感

 同社は、フードロス削減を目指し、まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう可能性のある食品を、フードロス削減に特化したプラットフォームでお得に販売する。フードロス市場は約8,500億円であり、これまでにはない新たな市場として、成長が見込まれる。フードロスに関する社会課題への関心の高まりが追い風となっており、足元の課題を解消することで更なる成長を見込む。同社は、中期経営計画のテーマとして「フードロス削減のインフラに」を掲げ、社会貢献と経済的成長を両立させるビジネスモデルの創出に取り組む。また、M&Aによる非連続成長を目指す姿勢は、企業のダイナミズムを維持しつつ、市場の変化に柔軟に対応できることを示す。EC事業の拡大やサプライチェーンの強化によってビジネス基盤を強固なものとするとともに、積極的なM&Aなどにより更なる成長の実現を目指す。今後、同社が日本におけるフードロス削減のリーダーとなるかが注目される。

  • 挑戦度☆☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆☆

中期経営計画(2025年6月期-2027年6月期)

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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