概要
㈱WOLVES HAND(東証GRT194A、2024年6月期純資産2,113百万円、総資産5,784百万円、売上高4,990百万円、営業利益827百万円)と、㈱イエローハット(東証PRM9882、2024年3月期純資産116,522百万円、総資産144,030百万円、売上高146,641百万円、営業利益14,475百万円)の両社が、業務提携したと仮定した場合に想定される具体的な提携効果について検討する。
WOLVES HANDの事業内容
- 動物病院、ペットサロンの運営。
- 動物病院向けソフトウエアの提供、獣医療教育セミナーの配信。
- 医療用機械器具の製造・販売。
イエローハットの事業内容
- カー用品・二輪用品等の製造、卸売販売及び一般消費者等への小売販売。
- 自動車整備及び修理、賃貸不動産事業。
想定される提携効果
- ペット向けカー用品の開発・販売強化:イエローハットの店舗で、WOLVES HANDが推奨する安全性の高いペット用カーシート、キャリーケース、シートカバー、エアコンフィルターなどを販売。車内でのペットの快適性を向上させる商品ラインナップを拡充し、ペットオーナー向けの提案を強化、ペットオーナーの安心・安全なドライブをサポート。
- 「ペットと車の安全」啓発活動:イエローハットの一部店舗にペット同伴専用スペースやペット向けサービスを導入し、WOLVES HANDの専門スタッフによる健康相談や簡易ケアサービスを提供。ペットの車内放置防止や、長距離移動時の健康管理に関する情報を共同で発信。動物病院での診察時に、ペットの車酔いや熱中症対策のアドバイスを提供。
- 動物病院のモビリティ支援:動物病院に通う飼い主の中には、アクセスの問題を抱える人も多いため、イエローハットの店舗ネットワークやモビリティ関連のサービスを活用し、利便性を向上させる。具体的には、WOLVES HANDの獣医師が、イエローハットの協力を得て、移動診察車両を活用した訪問診療サービス、移動型動物病院(モバイルクリニック)を展開することで、地方や高齢者の多い地域での動物医療のアクセス改善に貢献。
- 動物病院向け車両メンテナンスサービス:WOLVES HANDが所有する訪問診療車や救急車両のメンテナンス・カスタマイズをイエローハットが担当し、稼働率の向上を支援。
- 顧客基盤の相互活用:両社の顧客層には一定の重なりがあり(ペットオーナーの多くが車を利用)、相互送客や販促キャンペーンを通じた顧客の相互誘導。具体的には、イエローハットの会員向けに、WOLVES HANDの動物病院での優待サービスを提供。WOLVES HANDの動物病院利用者に対し、ペット用カー用品の割引クーポンを配布。
- 共同プロモーション:ペットイベントやドッグラン併設のカー用品店の開催、イエローハット店舗でのペット健康診断キャンペーンなど、両社の強みを生かしたイベント展開。
- 社会貢献の強化:迷子ペットの保護活動支援(イエローハット店舗を一時的な保護拠点として活用する)。ペットの災害対策(災害時のペット避難に対応した車両・用品の開発)。保護犬・保護猫の譲渡会をイエローハット店舗で実施。
所感
ペットを連れて車で移動する機会は多く、特に動物病院の利用時や旅行・レジャーの際には、車が重要な役割を果たす。この点を踏まえ、「ペット×カーライフ」という市場に着目し、ペットオーナーの視点に立脚した新サービスを提供することで、長期的なブランド強化に繋がる可能性が高い。WOLVES HANDとイエローハットの今後の取り組みが大いに注目される。
以上