概要
㈱メタリアル(東証GRT6182)は、2023年5月31日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
AI型の機械翻訳を開発しインターネットを通じて顧客に提供する機械翻訳事業(MT事業: Machine Translation)、人手のプロ翻訳者による翻訳と通訳・語学教育等の人間翻訳事業(HT事業: Human Translation)、VRにAIを統合することによって世界中の人々がいつでもどこでも誰とでも言語フリーで交流し生活し仕事し人生を楽しめる新しい世界の実現を目指すメタバース事業。
強み
- Zero to One力。賛成する人がほとんどいない大切な真実を見つける力。
- テクノロジーによるUXデザイン力。既存のテクロノジーを組み合わせて革新的なUX(ユーザー体験)を設計する力。
- Fail Fast(試行スピード)力。あらかじめほとんどの施策は思い通りにはいかないことを前提として、仮説と実験を大量かつ高速にループしていく力。
- MT事業の機械翻訳は高い精度とカスタマイズ性を有している。
- AI集約的ワールド生産体制。
中期経営計画
2024年2月期の数値目標は、売上高45億円(2023年2月期実績42億円)、営業利益6億円(同5億円)、とした。
リスク
- ソフトウエア、インターネット、AIの分野は、技術革新のスピードの変化が激しく、新しいサービスが逐次産み出されており、常にサービスの陳腐化や競争力の低下が起きるリスクがある。
- 総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構が開発を始めた専門分野別産業向け文書機械翻訳エンジンが同社のMT事業サービスに対して競合関係となりつつあり、ユーザーの争奪等で激しい圧迫を受ける場合は業績に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社は、2023年2月期より、短中期の成長戦略として、企業の成長加速のために生成AIの活用を提案する「Metareal AI」プロジェクトを開始した。具体的には、①様々な生成AIサービスを集約した「プラットフォーム」の立ち上げ、②企業のニーズに完全カスタマイズで対応する受託開発AI「neuraforce」、③より高度なセキュリティを目指すオンプレAI「neuraleap」、④企業の社内使用専用にデータのみをカスタマイズする社内AI「neurassist」、⑤企業のシステムとプラットフォームアプリケーションを繋ぐAPIの提供等。同社は長期の成長戦略としてメタバース事業を推進しているが、短中期の成長戦略として「Metareal AI」プロジェクトを推進し収益化することで、更なる飛躍が期待される。
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所