概要
2025年10~12月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5を発表する。(選定は三澤公認会計士事務所選定委員。対象は上場企業が当該期間にプレスリリースしたM&A・アライアンス案件。)
第5位
全国保証が住宅ローン比較診断の㈱MFSと資本業務提携
全国保証㈱(東証PRM7164)は、住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」の開発・運営、不動産投資の総合プラットフォーム「INVASE」の開発・運営を手掛ける㈱MFS(2025年6月期純資産2,230百万円、総資産2,537百万円、売上高2,917百万円、経常利益198百万円)と資本業務提携。MFSが蓄積する住宅ローンの審査結果データ等の多様なデータの分析力とAIテクノロジーを活用し、不動産購入者への利便性の高いサービス提供を目指すほか、AIをはじめとした新しい技術によるローン審査プロセスの高度化に向けた共同研究やモゲチェックの普及を進める。
第4位
センコーグループホールディングスが貨物輸送の㈱丸運の株式取得(子会社化)
センコーグループホールディングス㈱(東証PRM9069)は、貨物輸送、エネルギー輸送、海外物流、テクノサポートを手掛ける㈱丸運(東証STD9067、2025年3月期純資産25,694百万円、総資産36,905百万円、営業収益46,145百万円、営業利益1,266百万円)の株式を取得し子会社化。センコーグループホールディングスが得意とする新規顧客開拓力や物流効率化のノウハウと、丸運の素材一貫物流や潤滑油輸送のネットワークを融合させることで、化学品物流や重量物輸送といった高付加価値領域への本格参入と統合的シナジーを見込み、持続的な事業成長の基盤構築を図る。
第3位
大和ハウス工業が設備工事の住友電設㈱の株式取得(子会社化)
大和ハウス工業㈱(東証PRM1925)は、設備工事に関連するエンジニアリングサービス、機器の販売等を手掛ける住友電設㈱(東証PRM1949、2025年3月期純資産119,178百万円、総資産197,577百万円、売上高203,639百万円、営業利益17,886百万円)の株式を取得し子会社化。大和ハウス工業が推進するデータセンターや半導体工場等の建設において住友電設の情報通信工事ノウハウを獲得するほか、東南アジアを中心とする海外事業において両社の事業基盤と技術を組み合わせ、インフラプロジェクトや環境配慮型プロジェクトを共同で推進する。
第2位
住友商事が情報サービスのSCSK㈱の株式取得(子会社化)
住友商事㈱(東証PRM8053)は、情報サービス事業を手掛けるSCSK㈱(東証PRM9719、2025年3月期資本合計292,565百万円、資産合計885,029百万円、売上高596,065百万円、営業利益66,121百万円)の株式を取得し子会社化。SCSKを住友商事グループのデジタルソリューション事業の中核と位置づけ、住友商事の資金力やグローバルネットワークを活用した外部リソースの獲得等を通じてSCSKの産業IT・セキュリティ領域の高付加価値化を支援し、「デジタルで磨き、デジタルで稼ぐ」戦略を強力に推し進める。
第1位
日本郵政が総合物流のロジスティード㈱と資本業務提携
日本郵政㈱(東証PRM6178)は、総合物流サービス業を手掛けるロジスティード㈱(2025年3月期純資産642,485百万円、総資産1,755,000百万円、売上収益910,742百万円、営業利益37,033百万円)と資本業務提携。ロジスティードが有するグローバルネットワークや高いオペレーション遂行力と日本郵政の強みを連携させることで、国際物流事業の拡大に加え、強化領域である国内企業間物流分野の更なる拡大を実現し、ラストワンマイルから国内配送、国際物流のすべてを一気通貫で運営できる総合物流企業を目指す。
2025年10~12月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5
- 第1位:日本郵政が総合物流のロジスティード㈱と資本業務提携
- 第2位:住友商事が情報サービスのSCSK㈱の株式取得(子会社化)
- 第3位:大和ハウス工業が設備工事の住友電設㈱の株式取得(子会社化)
- 第4位:センコーグループホールディングスが貨物輸送の㈱丸運の株式取得(子会社化)
- 第5位:全国保証が住宅ローン比較診断の㈱MFSと資本業務提携
総評
2025年10~12月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングは、自社の経営基盤を活かしながら成長領域を取り込み、事業構造の高度化を図る取り組みが目立った。第1位:日本郵政。ラストワンマイルから国際物流までを一気通貫で担う総合物流企業への飛躍。第2位:住友商事。グループの中核IT企業を取り込み、全社的なデジタル・AI戦略を強力に推進。第3位:大和ハウス工業。データセンター等の成長インフラ需要の取り込みと海外事業の更なる成長を同時に果たす盤石の布陣。第4位:センコーグループホールディングス。国内物流再編の担い手として、高付加価値領域への進出とシナジー創出を両立。第5位:全国保証。ローン審査プロセスの高度化による次世代の住宅ローンプラットフォーマーへの進化。各社の取り組みは、既存事業の延長線上で単純な規模拡大を図るのではなく、自社の強みを軸に新たな事業領域や付加価値を取り込む戦略的なもの。特に、物流業界では、日本郵政とロジスティード、センコーグループホールディングスと丸運といった連携により、物流ネットワークの高度化や高付加価値領域への展開が進み、国内物流の再編が着実に進む。また、住友商事によるSCSKの完全子会社化や、大和ハウス工業による住友電設の子会社化に見られるように、デジタル化やインフラ需要の拡大といった構造的な成長領域を果敢に取り込む事例も目立つ。更に、全国保証とMFSの資本業務提携に象徴されるように、データやAIを活用した新しい金融サービスの創造も進む。各社の今後の取り組みと更なるM&A・アライアンス施策から目が離せない。
以上