概要
セントケア・ホールディング㈱(東証PRM2374)は、2025年2月7日、中期経営計画の数値目標の取り下げを発表した。
背景
同社を取り巻く経営環境は、超高齢社会を背景に今後もサービスに対する需要の増加が予想されている一方で、生産年齢人口の減少とともに人材の確保がより一層厳しさを増している。介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3~4倍台を推移しており、その中でも同社の主力サービスでもある訪問介護に従事する訪問介護員においては2023年度で14.14倍と極めて採用が困難な状況となっている。採用環境としては厳しいながらも当期は人材採用を強化したことで採用自体はできているものの、離職者も増加傾向にあることから、従業員の採用・定着に加えて生産性の向上が重要な経営課題となっている。当第3四半期連結累計期間の業績としては、売上高では重点投資の医療系サービスが成長を牽引していることに加えてM&Aの推進による増収効果はあるものの、全体的に顧客の休廃止は依然として高止まり傾向にあることや医療機関等からの新規依頼の動きにも鈍さが見られたことから増客ペースは期初の想定を下回っている。また、従業員についても積極採用により増加傾向で推移しているものの、こちらも想定していた増員ペースには届いておらず、報酬改定対応を経て改善期間と見込んでいた当第3四半期会計期間における環境は追い風とはならず成長は限定的なものとなっている。費用面では、労働市場の賃金上昇を受けて期初から積極的に取り組んだ従業員の待遇改善等により人件費が増加したほか、継続的な物価上昇により経費も増加している。特に求人広告費や人材紹介料等の採用関連費用の増加に加えて、人材確保の難しい地域やサービスを中心に外注派遣費も増加している。基本的には価格転嫁の出来ない事業特性も重なり、これら人件費や経費の増加とM&Aによる先行投資コスト分を吸収できるだけの売上高を確保することが出来なかったことで利益を押し下げている。このような状況の下、足元での業績を踏まえ通期の業績予想を見直した結果、前回公表の通期業績予想を下回る見込み。2024年5月に発表した中期経営計画については、策定時において想定していた前提条件と大きく異なる状況であり、公表している業績目標の達成が困難であると判断したことから、中期経営計画における業績目標を取り下げる。
通期業績予想の修正及び中期経営計画の一部取り下げに関するお知らせ
以上