アスアが事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年8月)を発表

概要

 ㈱アスア(東証GRT246A)は、2025年8月29日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容
  • モビリティソリューション事業(物流アウトソーシングサービス):物流事業者に特化した安全活動のアウトソーシングサービス。TRYESサポート、TRYESレポート。
  • モビリティソリューション事業(データソリューションサービス):コミュニケーションを円滑にするメッセージングサービス。安全運転支援メッセージ、AI整備予測システム。
  • ネットワークソリューション事業:企業向けICT機器の販売・工事・保守に関する事業。
  • TRYESサポート(訪問型サービス):運送事業者の燃費と事故のデータを正確かつリアルタイムに構築。そのデータを元に、実践活用するためのノウハウを持つ専門スタッフが訪問し、短時間で効果的な安全活動を24時間体制で支援するアウトソーシングサービス。
  • TRYESレポート (クラウド型サービス):充実した教育コンテンツと、自動議事録作成など管理者の負担を減らす機能を搭載。継続した安全活動やドライバー教育を支援する、物流事業者に特化した定額のクラウドサービス。
  • AI整備予測システム「T’aime(テーム)」:トヨタモビリティパーツ株式会社が提供する「AI整備予測システム」の解説・提案書の生成を担当。
強み
  • 燃費データベース:給油ごとの燃費データ4,000万レコードを保有(総走行距離12億Km)。
  • 事故データベース:軽微な事故から重大事故まで約4万件の事故情報を保有。
  • 現場力:ドライバー・管理者との継続的なコミュニケーションによる改善提案と実行力。
中期経営計画

 2026年6月期の数値目標は、売上高1,422百万円(2025年6月期実績1,392百万円)、営業利益134百万円(同198百万円)、とした。

リスク
  • 市場の動向について:同社のメイン事業であるモビリティソリューション事業(物流アウトソーシングサービス)が展開する物流業界は99%がトラック保有台数100台以下の事業者のため、物流業界における2024年問題の影響や景気低迷による経営へのダメージは深刻な問題に発展する可能性がある。その場合は、新規営業の低迷や既存顧客のサービスの解約等により、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • オペレーショナルリスクについて:同社のモビリティソリューション事業(物流アウトソーシングサービス)においては、一定基準を満たした専門スタッフが、現場での活動を行うが、その運用状況によっては一定の品質が担保されない可能性がある。また、日々膨大な事務処理が発生しており、各プロセスに沿った運用を行っているものの、事務管理上または事務処理上のミスが生じた場合には、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • モビリティソリューション事業(物流アウトソーシングサービス)への依存について:同社の売上高に占めるモビリティソリューション事業(物流アウトソーシングサービス)のセグメント売上高の割合は約56%となっている。引き続き同サービスへ依存する割合は高く、同サービスの売上動向が、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • 特定顧客への依存について:一般社団法人東京都トラック協会に対する売上高は、全売上高の約12.6%となっており売上の依存度が高い状況にあるため、同協会の助成金制度の変更や、東京都の財源の状況・方針等によっては影響を受ける可能性がある。同協会向けの売上高が減少した場合、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • システムトラブルについて:同社事業の多くは、インターネットを介して行われており、その基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存している。万一、第三者による意図的な攻撃や自然災害、ネットワークの障害等不測の事態が発生し、これらITシステムが正常に機能しないことにより、業務活動に著しい影響が生じた場合、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • 情報セキュリティーについて:同社は、厳重な情報セキュリティー管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、事業の一環として得意先から預託された機密情報などの収集・保管・運用を行っている。万一同社の従業員や業務の委託会社等が情報を漏洩又は誤用した場合には、同社が企業としての社会的信用を喪失し、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • 役員、幹部社員等への依存について:同社の役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、同社の経営、業務執行について重要な役割を果たしており、当該役職員の継続勤務による経験値は、同社における重要なノウハウと考えられる。しかし、当該役職員が何らかの理由によって業務執行できなくなった場合、退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
  • 人材の確保、育成及び人件費の高騰について:同社において、今後の事業拡大や企業運営を円滑に遂行していく上で、優秀な人材を確保すること及び人材育成が極めて重要である。しかしながら、必要な人材を適切な時期に確保できない若しくは社内の有能な人材が流出した場合、また、人件費の高騰が長期化した場合には、経常的な業務運営や事業展開に支障が生じ、同社の業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性がある。
所感

 アスアは、「物流現場の知見とデータを融合し、持続可能な魅力ある物流を実現します。」をパーパスとして掲げ、成長ポテンシャルの高い地域への展開と、独自価値の提供による持続的な事業拡大を目指す。物流業界は、2024年問題や新物流2法の成立を背景に、構造転換が進行。同社は、これをビジネスチャンスと捉え、同社の強みであるデータノウハウや訪問・フォロー体制等の更なる強化を目指す。同社の今後のM&Aアライアンス施策が注目される。

  • 挑戦度☆☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆

事業計画及び成長可能性 に関する説明資料

以上

M&A・アライアンス組成の三澤公認会計士事務所

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