ドリコムが事業計画及び成⻑可能性に関する事項(2024年6月)を発表

概要

 ㈱ドリコム(東証GRT3793)は、2024年6月26日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容
  • ゲーム事業:ゲームや教育コンテンツを中心としたスマートフォン向けエンターテインメントコンテンツの 企画、開発及び運用の他、HTML5を中核とする技術を活用したオンラインゲーム及び配信プラットフォーム(「enza」)の開発及び運営。⼈気IPタイトルを中⼼に10タイトルを運営中。
  • メディア事業:同社が過去培ったノウハウや有する最先端技術を応用した顧客企業に対する事業支援サービ スの提供、及び同社の中長期の成長を担うゲーム以外のエンターテインメント領域の新規事業創出。将来の主⼒事業を創出すべく先進的技術を活かし新規事業の創出に積極的に投資。
強み
  • 新しい体験/市場/チャンスを⽣み出すテクノロジーの活⽤:新しいテクノロジートレンドの素早いキャッチアップと活⽤。ブログ、ネット広告、ソーシャルゲーム、AR、ブロックチェーン、⽣成AI等。
  • IPコンテンツビジネスに関する10年以上の実績:IPの魅⼒を理解しIPファンに向けたコンテンツビジネス展開。⼈気IPや歴史あるIPのモバイルゲームを多数開発・⻑期運⽤。
  • 挑戦の継続を重視する経営指針:創業来の多くの挑戦と失敗からの組織知。失敗を恐れず挑戦し、躓いた場合には素早く⽴ち上がることを重視する経営を指向。
  • 競合⽐でも豊富なモバイルゲーム開発・運⽤実績を有する。特にIPタイトルの開発・運⽤実績は国内随⼀。
  • 複数のヒットタイトルを積み上げることで、業績のボラティリティを抑制し、安定的な収益を獲得。
  • 多様なジャンルのモバイルゲームを運⽤。⾃社配信だけでなく他社配信により安定的な収益性を確保。
  • 2016年から開発を進める位置情報ゲーム開発プラットフォーム「AROW」を保有しており、⼈気IPを使ったタイトルを2025年3⽉期中のリリースを⽬指し開発中。
  • コミック市場は電⼦の普及により⼤きく成⻑。同社は業界出⾝者中⼼に早期の事業⽴ち上げを実現。
  • アニメ市場は配信の普及等により海外向け売上を中⼼に成⻑。同社は他事業連携により多様な収益化が可能。
  • Web3領域は既存のデジタル・エンターテインメント・コンテンツにFT・NFTが組み合わさることによって、⼆次流通市場が形成。同社はWeb3領域に対して早期から研究開発を開始。エンタメ領域との親和性が⾼く市場環境も整いつつあることから参⼊。研究開発の蓄積により素早い⽴ち上げを⾏うことができ、2024年3⽉期中にブロックチェーンゲーム「Eternal Crypt – Wizardry BC -」をリリース。
中期経営計画

 2025年3月期の数値目標は、売上高13,500百万円(2024年3月期実績9,779百万円)、営業利益1,000百万円(同903百万円)、とした。

リスク
  • 同社グループがゲーム事業にて提供する複数のソーシャルゲームは、㈱バンダイナムコエンターテインメントにより配信されており、バンダイナムコエンターテインメント配信のゲームからの収益が同社グループのゲーム事業全体の収益の多くを占めている。バンダイナムコエンターテインメントの事業⽅針に重⼤な変更があった場合には、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社は、ゲームの利⽤環境向上を推進すべく、関連事業者からなる⼀般社団法⼈コンピュータエンターテインメント協会に所属し、法規制及び業界内の各種ガイドラインを遵守する⽅針である。しかしながら、現⾏の法規制の新設、改正⼜は強化若しくは各種ガイドラインの変更等が⾏われた場合には、その対応に多⼤な費⽤等を要する可能性があり、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社は、コンテンツを配信する前に国内外のプラットフォーム運営事業者の基準や同社の基準に照らし、サービス及びその表現等の健全性を確保するように努めている。しかしながら、社会情勢の影響等により、当該基準が新設、変更⼜は強化された場合には、同社グループが提供するコンテンツを配信できなくなる可能性やその対応に多⼤な費⽤等を要する可能性があり、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社グループの提供するコンテンツの中には、著作権者等から利⽤許諾を得て配信しているものがある。著作権者等の⽅針変更等により、同社が利⽤許諾を得ることができなくなった場合には、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社が利⽤するコンピュータシステムの動作不良が⽣じた場合、同社の提供するサービスが中断⼜は停⽌する可能性がある。同社は、品質管理のため、サービスの提供を開始するまでの間にチェックリスト等により確認作業を⾏っているが、コンピュータシステムの動作不良によりサービスが中断⼜は停⽌する事態が⽣じた場合には、損害賠償や信⽤低下等により、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、同社のサービスはサーバー等を介して提供しているが、⼀時的なアクセスの集中による負担の増加、⾃然災害、事故⼜は外部からの不正な侵⼊等が発⽣した場合には、サービスが停⽌する可能性がある。同社は、外部からの侵⼊等を防ぐための監視体制の強化、システムの⼆重化等の対策を⾏っている。しかしながら、重要なデータが消失⼜は漏洩した場合若しくはサーバーが利⽤できなくなった場合には、損害賠償や信⽤低下等により、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 出版業界における商慣習として、返品条件付き売買が⾏われる場合がある。返品条件付き売買とは、出版社が取次会社を通じて書店に書籍の販売を委託し、売れ残った書籍を書店が取次会社を通じて出版社に返品するという制度。出版社である同社に返品が⾏われると、倉庫で保管する費⽤や在庫を処分する費⽤が⽣じ、これらの費⽤が多額に上ると同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、出版事業が取り扱う作品に、万が⼀著作権侵害や、不適切な表現等が認められた場合には、出版の差し⽌めや全国の書店からの回収が必要になる場合が考えられ、対応に必要な費⽤や損害賠償等により、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社は、インターネット関連市場での新規サービスに積極的に参⼊することを経営⽅針としている。同社は、今後も、既存事業の基盤強化を継続的に⾏いながら、付加価値の⾼い新規サービスを展開していく⽅針である。しかしながら、新規サービスの開始に際しては、同社において研究開発及びシステム開発に係る⼈員不⾜その他の要因により、事業⽴ち上げ等に想定以上の時間を要する場合や事業拡⼤及び収益獲得が当初の想定どおりに進捗しなかった場合には、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、新規サービスの事業展開においては、同社における体制構築やサービスの拡充及び健全性維持等のために新たな費⽤負担等が⽣じる場合があり、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社グループは、ゲーム事業の⼀部において国外のプラットフォーム運営事業者を介して海外のユーザーに提供しており、同社が海外のユーザーへ販売したゲーム内のアイテム等の代⾦は国外のプラットフォーム運営事業者を通じて現地の通貨にて回収される。今後、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が⽣じた場合には、同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
  • 同社は、ゲーム事業、メディア事業においてサービス提供のために開発したプログラム等については、資産性を考慮して「ソフトウエア」等として連結貸借対照表に計上し、⼀定の期間等に応じて償却を⾏っている。今後において、個別のゲームタイトルやサービスについて、収益性低下により期待する収益が獲得出来ない⼜は⾒込めない等の状況が⽣じ、当該資産に係る投資回収が困難であると判断される場合には、減損損失や評価損等の計上を余儀なくされる可能性があり、これにより同社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
所感

 同社は、IP×テクノロジーを軸にエンターテインメント・コンテンツをグローバルに提供する企業を⽬指しており、IPを「保有し、育成し、収益化する」⼀連の流れの中で事業の役割を位置づけ、取り組むべき事業領域を決定している。同社は、メディア事業において、ゲーム以外のエンターテインメント領域の新規事業創出を目指しており、同社の今後の取り組みが注目される。

  • 挑戦度☆☆
  • 戦略度☆☆
  • 期待度☆☆

事業計画及び成⻑可能性に関する説明資料

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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