概要
㈱ビーアールホールディングス(東証PRM1726)は、2023年11月10日、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について発表した。
現状評価
- ROE7.6%(2023年3月期)
- 株主資本コスト6~7%
- PBR1.2倍(2023年3月期)
同社は経営指標としてROE10%以上を継続的に維持することを⽬標としているが、2023年3⽉期のROEは7.6%と前年度実績値を4.5%下回る結果となった。市場の求める株主資本コスト(6%〜7%程度を想定)を上回っているものの、2022 年3⽉期より減少傾向に推移しており、連結営業利益率の低下並びに総資産が増加したことにより総資本回転率が低下していることが起因と認識している。PBRについては、1.2倍と継続して1倍以上を維持しているが、株価の低迷に伴い減少傾向となっており、上記ROEの改善と資本効率を意識した株主還元の実施等により、今後継続して1倍以上を維持していく必要がある。
方針・取り組み
- ⽣産性向上に向けた働き⽅改⾰3本柱(社⾵改⾰・業務改⾰・教育改⾰)の確実な実⾏。意識(働き⽅・チャレンジ)改⾰、働き⽅の監視、労働時間の管理⼿法構築。⼈員増・分業による作業量の平準化、暗黙知の形式知化、DX・ICT技術の導⼊。社員教育プログラムの構築(社内アカデミー創設・OJT教育の体系化)。
- PC 橋梁・床版取替事業などの優位技術を軸とする安定した収益基盤の構築。⼤規模プロジェクトに対応した、技術者の増強による施⼯体制の確保。若⼿技術者の早期育成強化・実績付与。営業・設計・施⼯組織の連携による技術提案⼒の強化。
- 既存事業の減少を⾒据えた成⻑分野への領域拡⼤。独⾃技術事業(マイクロパイル・K-LIP⼯法・ELSS Joint等)の更なる市場拡⼤。防災・環境事業を軸とした技術開発の推進。
- 売上債権回転期間の短縮による資⾦収⽀の改善。
- ⼈的資本を中⼼とした投資の選択と集中。
- 財務規律を意識した柔軟な資⾦調達。
- 成⻑投資と健全性を備えた最適な⾃⼰資本⽔準の確保。
- 株主還元および資本政策の⼀環として、市場環境と資本の状況を⾒ながら、機動的かつ弾⼒的に⾃⼰株式取得を実施する⽅針としており、⾃⼰株式の取得を通じ、株主還元および資本効率の向上を図る。
- 経営成績に対応した配当を継続的かつ安定的に実施することを基本とし、株主還元の指標として、連結配当性向30%を⽬標としていたが、改めて今後の財務・資本戦略について、業績動向、資⾦需要、資本効率、資本コストなどを総合的に勘案し検討した結果、ROEの⽬標達成(10%以上)維持のためには資本効率を意識した株主還元の実施が望ましいと判断し、株主還元の⽬標を連結配当性向 40%に引き上げ、新たにDOE(⾃⼰資本配当率)4%を採⽤する。
以上
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