概要
弁護士ドットコム㈱(東証GRT6027)は、2023年6月23日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」および税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」等を通じたインターネットメディアの運営、契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」をはじめとしたIT・ソリューションサービスの提供。
強み
- 弁護士ドットコムは、月間サイト訪問者数約1,000万人、日本最大級の無料法律相談ポータルサイト。
- クラウドサインは、先行者メリットと電子契約によるネットワーク効果のもと、業界スタンダードのクラウド契約サービス。
- 税理士ドットコムは、月間サイト訪問者数約103万人、日本最大級の税務相談ポータルサイト。
中期経営計画
2024年3月期の数値目標は、売上高107億円(2023年月期実績87億円)、営業利益12億円以上(同10億円)、とした。
リスク
- 同社はメディア事業、IT・ソリューション事業を事業領域としているが、インターネット利用に関する新たな規制やその他予期せぬ要因により、インターネット利用環境の悪化、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合、同社の事業および業績に影響を与える可能性がある。
- 同社が予期しない急速な変化があり、その対応に遅れた場合、同社サービスの陳腐化や競争力の低下を引き起こし、同社の事業および業績に影響を与える可能性がある。
- 同社が運営する主力サイト「弁護士ドットコム」に関して、今後何らかの理由により弁護士からの支持を得られなくなった場合、または競合他社が弁護士から一定の支持を受けた状態で同サービスに参入した場合、競争激化となり、同社の事業および業績に影響を与える可能性がある。また、同社が運営する契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」に関して、今後何らかの理由により同社が企業ユーザーからの支持を失った場合、または同社以外の競合他社が企業ユーザーから一定の支持を受けた場合は、競争激化により、同社の事業展開に支障が生じ、同社の事業および業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 今後も事業内容の多様化や新規事業への取り組みを進め、事業規模の拡大と収益の向上に努めるが、人材の採用やソフトウェアなどの一時的な支出が発生する。新規事業が目論見通り推移しないことで、追加支出の回収が行えず、同社の利益率が一時的に低下する可能性がある。
- 同社では一般のユーザーが、会員登録の上「みんなの法律相談」または「みんなの税務相談」を通じて、匿名で専門家に相談することが可能であり、相談および回答内容の全件監視体制を構築したうえで、利用規約に基づき、健全なサイトの運営を行っている。しかし、上記のような体制を構築しているにもかかわらず、不適切な投稿に対し当社が十分に対応できない場合、同社がサイト運営者として信頼を失う可能性があり、事業および業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 今後の業容拡大に伴い、継続的な人材の確保・育成が必要となるが、人材の確保および育成が計画通りに進まなかった場合は、同社の事業および業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社の事業はインターネット環境において行われており、サービス安定供給のためにセキュリティ対策を施しているが、同社が想定しないシステム障害などが発生した場合、事業および業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社は弁護士へのマーケティング支援サービス、税理士へのマーケティング支援サービスを提供しており、弁護士法および税理士法を順守する必要があるが、同法の内容または解釈が変更された場合には、同社のサービスが制約を受ける可能性があり、その場合、同社の事業および業績に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社は、人員採用および広告宣伝投資を継続的に実行し、弁護士ドットコム、クラウドサインを中心とした売上拡大を図る。弁護士ドットコムは、弁護士業務のDXを多面的に推進し、弁護士にとって必要不可欠なサービスを目指す。クラウドサインは、大企業の獲得強化、SMBCクラウドサインとの連携を強化、契約ライフサイクルマネジメントサービスの提供を進める。リーガルブレイン構想含め、同社の更なる成長が期待される。
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所