概要
㈱グリッド(東証GRT5582)は、2023年7月7日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
⼈⼯知能を⽤いたシステムの開発・販売・コンサルティング・保守・運⽤サポート業務等。社会インフラのオペレーションを最適化するAIエンジンの開発。AIエンジンを搭載した業務システムを提供。AIエンジンの性能維持障害監視・対応を⾏う運⽤・サポート。AI×最適化を、電⼒・エネルギー、物流・サプライチェーン、都市交通・スマートシティの社会インフラ3分野に集中して展開。
強み
- AI技術の「実⽤化」に向けたサービスを⼀貫して提供。
- 社会インフラ出⾝のエンジニアによる豊富な業務知識。
- 社会インフラ×最適化による差別化と集中で競合が少ない独⾃のポジションを確⽴。
- デジタルツインとAIアルゴリズムの融合による最適化技術。
- 豊富な実績、業務知識、技術⼒、横展開により⼀般的なPoCを必要とせず、本番導⼊につなげることが可能。
- マーケットインの視点で様々なアルゴリズムを組み合わせ顧客の課題を解決する最適化の計算を短時間で実施。
- AIエンジンを組み込むだけで業務システムを構築できるアプリケーション群を開発し、開発リードタイムを短縮。
- 新規参⼊が難しい社会インフラ分野において業界⼤⼿企業との取引実績を多数有する。
中期経営計画
2023年6月期の数値目標は、売上高1,350百万円(2022年6月期実績910百万円)、営業利益188百万円(同71百万円)、とした。
リスク
- 同社の事業に関連するAI技術は、世界的に研究開発が進んでおり、技術⾰新のスピードが極めて速い分野である。同社はこうした技術⾰新に対応できる研究開発活動を推進することに加え、社外取締役を含むAIや産業分野を専⾨とする⼤学の研究者と連携し、最新の研究技術を取り込む体制を構築することで、AIを活⽤した事業により事業基盤の拡⼤を図っている。しかしながら、技術⾰新への対応が遅れる可能性もあり、その場合には同社の競争⼒が低下することで、同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社が今後更なる成⻑を成し遂げていくためには、優秀な⼈材の確保と育成を重要課題の⼀つである。同社は現在も優秀な⼈材の採⽤を進めるべく採⽤⼿段の拡充等の採⽤施策を講じているが、これらの要員を⼗分に採⽤できない場合や、採⽤後の育成が⼗分に進まなかった場合、あるいは在職中の従業員が退職する等した場合には、受注するプロジェクトの開発に制約が発⽣することや、受注したプロジェクトの品質・利益率の低下を招き、同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社は、豊富な実績を有する領域に対し、アップセル・クロスセルや横展開で受注を拡⼤。中期的には、開発の標準化と横展開でアプリケーションを進化させ、電⼒・配船・製造をはじめ特定産業向けに開発不要の製品としてのインダストリークラウドを投⼊、新規顧客への導⼊を図る。長期的には、量⼦アルゴリズムの研究開発を加速させ、計算速度及び最適化の精度の⾶躍的向上を⽬指すと共に、海外展開を進めることで、同社の更なる飛躍が期待される。
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所