概要
㈱メイホーホールディングス(東証GRT7369)は、2024年9月12日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
- 建設関連サービス事業:公共工事におけるコンサルタント業務(交通量等の各種調査、設計、測量、補償コンサルタント、公共工事の施工管理等を行う発注者支援の建設コンサルタント業務)を提供。
- 人材関連サービス事業:日本国内において、事務スタッフ派遣、技術者派遣、製造業派遣。また、警備事業や、カンボジアで、日本で受託した図面作成等業務のアウトソーシング、カンボジアに設立した現地法人で、技能実習生候補の募集、教育、日本への送り出し手配。
- 建設事業:総合建設業、法面工事事業を中心とし、鉄道関連工事・道路工事(国道維持・修繕工事含む)・河川工事・地すべり対策工事(さく井工事含む)、緑化及び法面工事を提供。
- 介護事業:通所介護(デイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)。デイサービス(送迎、入浴、食事、機能訓練等)、居宅支援(ケアプランの作成)。
強み
- 企業支援プラットフォームを核とした中小企業の集合体:同社は、地域に根差した中小企業の成長支援を行う、「企業支援プラットフォーム」を構築し、子会社に対し、ミッション・ビジョン・バリューといったグループ共通の価値観共有や、経営管理、資金繰り、営業・技術力の向上、人材採用・育成、DX化への対応といった、業績向上への取り組みの支援を行うとともに、「企業支援プラットフォーム」のさらなる充実を図るため、資本提携によるグループネットワークの拡大を進める取り組みを行っている。
- 建設関連サービス事業:国、道県(岐阜県、愛知県、滋賀県、福井県、佐賀県、北海道、広島県)市町村、その他(民間)からバランスよく受注し、安定的な収益を獲得。高い技術力と業務実績が必要な発注者支援業務(発注元となる国土交通省や県の出先事務所に常駐し、発注元を直接支援する業務)を提供可能。
- 人材関連サービス事業:慢性的な人手不足の業種に対して資格要件や業務実績の要望に応えられる人材の提供が可能。その結果、ゼネコン大手などからの継続受注ができており、安定経営を実現。多様な人材の確保と活用を行っており、高い技術力の人材に加え、未経験者、高齢者、女性、などの人材確保に強く、また、海外人材についてはカンボジアに海外拠点を持ち、技能実習生の教育、送り出し事業を行うことで、安定的な人材供給を実現。さらに求人・全国展開など様々なシナジーを見込む。
- 建設事業:国土交通省発注の道路維持修繕工事を45年以上受注。国道の維持管理を24時間365日対応で実施する体制(人員確保、オペレーション体制)を確立。大型工事を実施できる管理技術力。グループ内シナジーとして、技術協力(建設関連サービス事業からの技術指導)、人材協力(人材関連サービス事業からの人材紹介)が可能。
- 介護事業:同一エリア複数店舗で実現する「ユニット経営」により、近隣で人材を融通しあう事で専門職等の希少人材の確保と人件費低減を実現。他社にはない「選べるサービス」は顧客ニーズに合わせた利用時間やリハビリ内容、個々の要望に柔軟に対応できる選択食やおやつで、利用者の増加を実現。
中期経営計画
2025年6月期の数値目標は、売上高14,000百万円(2024年6月期実績10,348百万円)、営業利益650百万円(同147百万円)、とした。
リスク
- 公共事業への依存【建設関連サービス、建設】:同社グループの建設関連サービス事業、建設事業は、国及び地方公共団体からの受注割合が高いため、国及び地方公共団体の公共投資予算に大きく左右される。このため、国及び地方公共団体の公共投資予算が同社グループの想定以上に削減された場合には、同社グループの業績に影響を与える可能性がある。
- 景況による影響及び取引先の生産体制【人材関連サービス】:同社グループの人材関連サービス事業は、主として人材派遣サービスの事業を行っており、建設業及び製造業への人材派遣の割合が高い状況である。このため、同社グループが人材派遣する取引先の属する業界が業況不振となる場合や工場の海外移転など生産体制が変化し、人材派遣の受け入れを行わないような状況が生じた場合には、同社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性がある。
- 介護保険制度の改定【介護】:介護事業は、介護保険法等の各種関連法令によって規制を受ける。介護報酬制度は3年ごとに改定が行われるため、同社グループの収益源である介護報酬の改定内容が同社グループに対してネガティブな方向で行われた場合には、同社グループの業績に影響を与える可能性がある。
- 買収に伴うリスク【全事業共通】:同社グループは積極的に企業買収を実行する予定であるが、企業の売却希望者の減少や買収希望者の増加により、同社グループが取り上げることができる案件数が減少し、計画通りに企業買収を実行できなくなる可能性がある。また、買収を実行する際には、デューデリジェンスを実施するが、買収後に偶発債務等が確認され、想定外に多額の費用が発生した場合や、企業文化の融和が進まないことなどにより、企図したメリットやシナジーが得られない場合には、投下資金の回収ができないなど、同社グループの業績および財政状態に重要な影響を与える可能性がある。
- 資金調達に対する金利の変動【全事業共通】:同社グループは、金融機関から多額の借入を行っている。現行の借入金利が変動により高くなり、金利負担が増加したり、今後の資金調達における金利負担も増加したりすることにより、同社グループの業績に影響を与える可能性がある。
M&Aニーズ
- 長期に渡り、成長の可能性が高い企業。
- ブランド力 特定の地域で長期に渡る十分な営業実績がある。
- 参入障壁 許認可事業である。
- 顧客基盤 公共関連事業の元請企業である。
- 経営資源 業務遂行に十分な技術力がある。
- 安定収益 安定した健全経営を長期に渡り行ってきた。
所感
同社は、中小企業から中堅企業のM&Aと個社の利益拡大のサイクルにより、同社グループの成長を目指す。具体的には、対象企業の発掘から交渉締結までのM&A手続きの内製化着手や2025年6月期からPMI専門の支援部門を新設し、PMIの標準化を進めている。同社の今後のアライアンス政策を含むM&Aと成長が注目される。
- 挑戦度☆☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆
以上