概要
㈱ナレルグループ(東証GRT9163)は、2023年7月21日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
建設業界向けを中心とした人材派遣事業。建設ソリューション事業(建設・プラント業界向け施工管理業務、CADオペレーター等技術者派遣、施工図作成請負業務、求職者情報提供)、ITソリューション事業(SIer等開発案件・インフラ管理業務に対しIT技術者等の人材派遣、SES(システムエンジニアリングサービス)契約受託)。
強み
- 採用力(未経験者採用に特化)。
- 若手人材の安定供給が可能であり、構造的に契約単価の引き上げがしやすい年齢構成。
- 若手人材の育成メソッド。
中期経営計画
2023年10月期の数値目標は、売上収益17,482百万円(2022年10月期実績14,541百万円)、営業利益2,162百万円(同2,040百万円)、とした。
リスク
- 同社グループは、建設業界向けを中心とした人材派遣事業を行っており、建設業界における派遣人材の需要は人材不足等を背景に今後も拡大基調であると考えているが、同社グループの業績は国内の建設投資動向に一定程度の影響を受ける。また、景気後退局面では無期雇用の待機技術者の人件費負担が重くなり、同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
- 国内の総人口は継続的に減少することが見込まれており、今後の技術者採用市場の動向によっては、需要に見合う供給を十分に確保できないおそれや採用コストが増加する可能性もあり、同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
- 規制面では時間外労働時間の上限規制が建設業においても2024年4月より適用されることとなり、不適切な労務管理による法令違反が発生した場合や、労働安全衛生や雇用関係等に関して派遣技術社員との間で紛争が発生した場合等、同社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があり同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社グループは、労働者派遣事業者及び有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可等を受け事業を行っている。派遣先の指示により労働者派遣法で禁止されている適用除外業務にあたる建設業務(同社グループの派遣技術社員が実施している施工管理、CAD作図、施工図作図等はかかる業務に該当しない。)を行う等、何らかの要因で当該事業許可等の取消し又は事業の停止等を命じられた場合、同社グループの事業活動に支障をきたすとともに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社派遣事業は、「セコカンNEXT」を通じて登録者数拡大に向けた施策を実施、IT・プラントエンジニアリングといった新規業界、建設業界における施工図/BIM技術者といった新規職種の派遣実績も積み上げ、採用と教育を通じて派遣者数の拡大を図る。また、人材紹介サービスは「ジョブケンワーク」を通じて求職者数拡大に向けた施策を実施、建設ICTコンサルティングは社内研修制度を構築し社内教育を通じてICT人材を教育するなど、同社ソリューションの強化を通じて、同社の更なる成長が期待される。
以上
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