概要
㈱TMH(東証GRT280A)は、2024年12月4日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
半導体製造フィールドソリューション事業(装置・部品の販売・修理、越境ECサイトLAYLA-ECの運営)。越境ECプラットフォーム等を利用した部品販売・修理サービス(世界中の半導体製造装置・部品の売買にプラットフォームを活用)。エンジニアリング力を活用した装置販売サービス(装置解体、移設、搬出、プロセスチューニング、立上げサービスを提供)。
強み
- トータルソリューションと強固な顧客基盤により参入障壁の高い半導体業界に深く参入。
- ほぼすべての国内半導体メーカーとの直接口座。米国大手半導体メーカーからのSupplier award。
- プラットフォーム力(情報力)。越境EC「LAYLA-EC」全世界のサプライヤーの在庫を可視化(中古市場への強み)。グローバル部品調達経路を確立、価格適正化に貢献。
- エンジニアリング力。社内の半導体プロ集団中古装置(解体~搬出)一気通貫サポート。世界中の優良なエンジニアリング会社と協業による高い技術品質の提供。
中期経営計画
2024年11月期の数値目標は、売上高6,235百万円(2023年11月期実績1,747百万円)、営業利益361百万円(同▲127百万円)、とした。
リスク
- マクロ経済環境について:半導体は様々な製品に使用されるが、景気や技術革新によって需要が変動する。また、同社ビジネスの商流には、輸入や海外半導体製造工場への輸出も含まれている。そのため、同社の業績は景気、経済動向、技術革新、地政学的リスクによる影響を受ける可能性がある。
- 為替変動について:台湾や韓国、米国などの海外から部品等を輸入している。同社が輸入において使用する外貨(主に米ドル)が円安に転じた場合、仕入コストの上昇に繋がる可能性がある。
- 主要顧客への依存について:寡占の進む半導体業界は、大手による市場シェアが高い環境となっている。かかる環境を背景に、同社の売上高は、大手半導体メーカー向けの割合が比較的大きく、大手半導体メーカーの投資動向の影響を受けやすい傾向にある。
- 調達について:特に装置販売ビジネスにおいては、新たな設備投資を先行させる特定の大手半導体メーカーからの、中古装置・部品の調達が多い。したがって、何らかの理由により仕入先からの供給の停止が生じた場合、同社による調達が停滞する可能性がある。
- 人材の確保および育成について:地方に本社を構えることに起因する採用競争力への影響が生じる場合や、人材の育成・定着が計画どおり進まない場合には、事業拡大の制約となる可能性がある。
所感
同社は、半導体業界が直面する様々な社会課題を解決するリーディングカンパニーを目指している。巨大な半導体業界を対象に、半導体製造装置の延命、メンテナンスコストの軽減に貢献する。M&Aや他社とのアライアンスを含め、同社の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆☆
- 期待度☆☆☆
以上