概要
㈱サイバー・バズ(東証GRT7069)は、2023年11月8日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
ソーシャルメディアマーケテイング事業、HR事業。インターネット上のコミュニケーションの中心となっているソーシャルメディアを通じ、企業と消費者をつなぐ事業を展開。インフルエンサーサービス、SNSアカウント運用、インターネット広告販売、ライブ配信プラットフォーム、デジタルマーケティング人材に特化した転職支援、コーチングサービス。
強み
- データドリブンで総合的(横断的)なSNSソリューション。SNSの多様なマーケティングフェーズについてデータドリブンで総合的(横断的)なサポート。
- マイクロインフルエンサーを軸に、幅広いインフルエンサーとのネットワークを有することでクライアントのニーズに合った施策を提供可能。
- 厳格な選考・審査基準の設定や事後モニタリングの実施により薬機法・景表法などの法規制強化や炎上リスクに対応(2023年10月施行のいわゆるステマ規制にも対応)。
- 多数のクライアント提供実績のあるSNS運用支援。
- 市場の拡大が続くEC市場において、ブランディング、認知向上から購入後のリピートまでサポート。
中期経営計画
2024年9月期の数値目標は、売上高6,720百万円(2023年9月期実績5,757百万円)、営業利益470百万円(同391百万円)、とした。
リスク
- 同社の事業は、クライアント企業のマーケティングに対しサービスを提供しており、その多様なニーズに応えるため、影響力の強いインフルエンサーや、特定分野に特化したインフルエンサーの確保が必要となる。様々な要因の変化によりインフルエンサーとの信頼関係が低下した場合や、クライアント企業のニーズに合ったインフルエンサーを同社会員として十分に確保できない場合、インフルエンサーがフォロワー数を水増しする等の事態の発生によりインフルエンサーマーケティングの信頼性が低下した場合、インフルエンサーが広告審査基準等を遵守しない又は同社の広告案件以外において炎上する等の同社の管理することができない事態が発生した場合には、同社の業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
- 既存のSNSにおけるユーザーの利用動向の変化や、新たなSNSの流行に対して、同社の適切なインフルエンサーの会員組織化等の対応が遅れた場合、同社の業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。また、広告関連の規約・規制等の変更により、従来可能であった広告手法を用いることが出来なくなる可能性があり、同社のマーケティング手法や体制の変更等の対応が遅れた場合や、SNSのセキュリティ面の不備により当該プラットフォームの信頼性に疑義が発生した場合には、同社の業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
- 同社は、不当景品類及び不当表示防止法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、個人情報の保護に関する法律、著作権法等の規制を受けている。万一これらの違反に該当するような事態が発生した場合や、今後新たな法令等の制定、既存法令等の解釈変更がなされ事業が制約を受けることになった場合、同社の業績に影響を及ぼす可能性がある。また、インフルエンサーの投稿が広告関連法令等に違反する場合や、第三者の著作権、肖像権等を侵害する場合、不適切な投稿による炎上が発生した場合や投稿がステルスマーケティング(消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること)と見做された場合には、同社のブランドイメージが悪化する等、社会的信用や評判に波及し、同社の業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
所感
同社は、ソーシャルメディアマーケティングの会社から、ソーシャルメディアマーケティング+新たなプロダクトを提供する会社 への進化を目指している。今後は、収益見込の高いソーシャルメディア領域の新規事業への積極的な投資を行うと共に、ソーシャルメディア領域内のプロダクト開発と新設部門による新規事業開発によって新たな収益の柱を構築できるかが鍵となる。同社の今後の取り組みが注目される。
- 挑戦度☆☆
- 戦略度☆☆
- 期待度☆☆
以上
株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所