センサ業界の戦略的M&A「技術革新の先を行け」

M&Aでセンサ業界の勝者となる

 センサ業界は、グローバル出荷実績(日本向け出荷+海外向け出荷)が2.5兆円に達する巨大市場。通信機器・スマートフォン、自動車・交通、産業等の各分野における旺盛な需要を背景に、光度センサ、圧力センサ、位置センサ、温度センサ等各種センサの技術革新が日進月歩で進む。センサ業界に名を連ねる企業各社は、既存企業、新規参入組を含め、M&A・アライアンスを有効活用することで、技術獲得、製品ポートフォリオ拡充を進め、センサ業界の勝者となりたい。

CAGR10%の成長産業

 一般社団法人電子情報技術産業協会統計によると、2023年のセンサ・グローバル出荷実績は、前年比9.8%増の2兆4,684億円であった。過去10年間のCAGRは7.2%、直近3年間のCAGRは10.2%であり、足元成長が加速している。

通信機器・スマートフォン用センサが牽引

 2023年のセンサ・グローバル出荷実績を需要部門別に確認すると、第一位が通信機器・スマートフォン用(1兆5,632億円)(無線通信機器、有線通信機器、スマートフォン用含む)、第二位が自動車・交通用(3,232億円)(車載、自動車・飛行機・船舶等移動体用含む)、第三位が産業用(2,062億円)(セキュリティ、監視カメラ、ID認証、生体認証用含む)、以下、AV機器用(1,208億円)(映像・音響機器、カーAVC機器、ゲーム機、遊技機等アミューズメント用含む)、医療・ヘルスケア用(834億円)(⼤型・小型医療機器、ヘルスケア機器、健康機器、福祉機器、ウェアラブル生体計測用含む)、と続く。合計出荷額の約63%は通信機器・スマートフォン用センサが占めており、過去、通信機器・スマートフォン用センサが牽引役となってセンサ業界が成長してきたことが判る。また、出荷額こそ通信機器・スマートフォン用センサに遠く及ばないものの、CAGR11.0%と成長著しいのが産業用センサ。自動車・交通用センサはCAGR2.2%成長に留まる。

光度センサが牽引

 2023年のセンサ・グローバル出荷実績を種類別に確認すると、第一位が光度センサ(光センサ)(光、赤外線)(1兆8,964億円)、第二位が圧力センサ(圧力、トルク、力、重量)(1,369億円)、第三位が位置センサ(位置、長さ、測長、距離、測位、変位、ひずみ、レベル、厚み)(1,229億円)、以下、温度センサ(温度、熱)(1,142億円)、慣性センサ(加速度・振動・衝撃、角速度、速さ・速度・回転数・流量)(829億円)、と続く。合計出荷額の約77%は光度センサが占めており、過去、光度センサが牽引役となってセンサ業界が成長してきたことが判る。一方、位置センサは、出荷実績こそ上位を占めるものの、近年は出荷金額が減少傾向。圧力センサはCAGR3.5%成長、温度センサは横這い。

技術革新の先を行け

 センサ業界におけるM&A・アライアンスの二大目的は「技術獲得」と「製品ポートフォリオ拡充」にあると言えよう。先進技術は、例えば、MEMS、LiDAR、IoT、超音波、画像認識等に関する技術力を強化し、既存事業との融合・垂直統合等を図ることで、次世代のデファクトスタンダードとなる製品・システム・サービスを世に送り出すことが叶う。製品ポートフォリオ拡充は、温度、圧力、加速度、化学、生体等多様なセンシング分野へ進出することで、顧客ニーズを捉え、また、EV、ADAS、スマートシティ、スマート家電、ウェアラブル等新興市場への備えとなる。センサ業界は、技術開発に年単位の研究投資が必要だが、技術革新のスピードが速く、市場のニーズは急変する。そのため、「補う戦略」、即ち、M&A・アライアンスが効果的と言えよう。センサ業界各社のM&A・アライアンス戦略から目が離せない。

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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