概要
日本トランスシティ㈱(東証PRM9310)は、2023年5月15日、2026年3月期を最終年度とする3か年の新中期経営計画(2023年4月~2026年3月)を発表した。
2026年3月期の数値目標は、連結売上高1,300億円以上(2023年3月期実績1,340億円)、連結経常利益70億円以上(同89億円)、連結経常利益率5.4%以上(同6.7%)、とした。
施策
- 化学品物流への取組み強化:多様化する品種、生産拠点、需要拠点、貨物形態、輸送形態に対応するため、グローバル・ロジスティクスパートナーとして、グループ機能を最大限活用するとともに、新たなサプライチェーンの構築、機能構築に取組む。
- 自動車産業関連物流の国内およびグローバルでの更なる拡大:三重朝日物流センターの安定稼働に取組むとともに、変化したサプライチェーンに対応するため、北米およびアセアンを中心にグローバル物流の機能強化および拡大に取組む。
- 消費財物流の多様化および事業の再構築:次世代型物流センターの構築に取組むとともに、他業種への事業拡大ならびに蓄積したノウハウを用いて消費財流のグローバル展開に取組む。
- 半導体関連材料および高機能素材の取扱いの拡大:亀山低温危険品倉庫の安定稼働に取組むとともに、更なる拠点の整備、施設の充実に取組む。
- 新分野における物流取扱いの創出:地域における一次・二次産品の輸出取扱い増加による地域活性化に取組むとともに、スマイルケアなど社会的ニーズが高まっている分野などの取扱いに向けて取組む。
- グローバル物流事業を強化・拡大:グルーバルな領域におけるパートナー会社を含む拠点間の連携強化に取組むとともに、海外拠点における基盤となる拠点の整備・強化を検討する。また、グローバル物流の強化・拡大に向けて、グループを含め多様な人財の登用・育成に取組む。
- 国内における事業拠点を整備拡大し、組織・機能の強化:事業の継続・拡大に向け、ビルド&スクラップを推進し、顧客ニーズ、貨物需要および高付加価値事業への積極的な投資を行い、拠点および環境整備に取組む。また、変化する環境に対応するため、組織の見直しなどに取組む。
- 基盤とする四日市港の物流機能の更なる拡充:四日市港のコンテナリフティング量アップに向けて積極的な営業展開を図るとともに、四日市港の利便性向上および貨物の多様化に向けて、港湾機能の最適化および機能強化に取組む。
- 持続可能な輸送スキームの再構築:輸送効率の向上に向け、グループ全体の機能と拠点を最大限に活用ならびに、協力会社との協業により、モーダルシフトの充実・拡充に取組む。また、顧客および協力会社とのパートナーシップのもと、輸送・配送における環境改善に取組む。
- DXを活用したBPR(Business Process Re-engineering)の推進:物流業務における一連のプロセスを抜本的に見直すことにより、効率的で高品質なサービスの提供に取組む。また、事務の現場においてはデジタル化、RPA活用拡大により事務効率の向上、作業現場においては自動化・機械化などによる生産性の向上に取組む。更には、常に進化する技術の研究を継続し、省人・省力化に取組む。
- 安全および高品質な物流を継続する企業文化の醸成:安全で高品質な物流サービスを安定的に提供するため、KPIの活用、プロファイリング分析、業務フローの再構築、最新技術の活用ならびに、教育の充実に取組む。
- 財務体質の強化:経営の安定ならびに将来の成⾧戦略に向け、資金調達の多様化、投資効率の向上などにより、財務体質の強化に取組む。
所感
同社は、本中期経営計画で300億円の新規・更新投資を予定。足元では、需要の高まる危険品貨物の取扱い拡大に対応するため三重県亀山市において低温危険品倉庫2棟の建設に着工(投資総額20億円)、住友電装㈱の自動車用ワイヤーハーネス部材等を取り扱う同社グループ最大規模となる三重朝日物流センターの竣工(投資総額140億円)等、積極的な事業拡大を行っている。顧客ニーズを捉え、変化したサプライチェーンに対応することで、同社の更なる飛躍が期待される。
以上
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