M&A・アライアンス「創造度」ランキング(2025年4~6月期)

概要

2025年4~6月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5を発表する。(選定は三澤公認会計士事務所選定委員。対象は上場企業が当該期間にプレスリリースしたM&A・アライアンス案件。)

第5位
ハイレックスコーポレーションが自動車用機能部品の三井金属アクト㈱の株式取得(子会社化)

㈱ハイレックスコーポレーション(東証STD7279)は、自動車用機能部品の開発、製造および販売を手掛ける三井金属アクト㈱(2025年3月期純資産43,801百万円、総資産78,212百万円、売上高95,829百万円、営業利益1,011百万円)の株式を三井金属鉱業㈱(東証PRM5706)より取得し子会社化。三井金属アクトのドアラッチ、パワースライドドアシステム等の独⾃の技術⼒及びブランドと、ハイレックスコーポレーションの製品及び技術を融合し、自動車ドア全体の技術革新及び新たな価値創出を目指すと共に、高品質な製品の提供と高い供給能力の確保を図る。

第4位
サノヤスホールディングスが制御盤の㈱ヤマガタ共同の株式取得(子会社化)

サノヤスホールディングス㈱(東証STD7022)は、各種制御盤・操作盤等の製造販売を手掛ける㈱ヤマガタ共同(2024年8月期純資産223百万円、総資産302百万円、売上高298百万円、営業利益10百万円)の株式を取得し子会社化。各種制御盤・操作盤メーカーとして板金加工、組立配線、検査までを自社工場で一貫して手掛けているヤマガタ共同を、サノサノヤスホールディングスグループ企業のハピネスデンキ㈱、松栄電機㈱、松栄電気システムコントロール㈱との営業面における相乗効果に加え、技術・生産面での補完関係を活かし、当該分野における事業成長と収益力の強化を目指す。

第3位
ユカリアが不動産相続コンサルティングのGplus㈱の株式取得(子会社化)

㈱ユカリア(東証GRT286A)は、不動産相続コンサルティング、不動産売買仲介、不動産買取再販売、収益不動産の賃貸管理、損害保険代理業務を手掛けるGplus㈱(資本金9.5百万円)の株式を取得し子会社化。高齢者やその家族が所有する不動産に関する課題の解決に向け、高齢者の住み替え支援や資産の有効活用といった面でより包括的で手厚いサポートを提供し、ユカリアの医療・介護領域の専門知見を活用することで不動産サービスの付加価値を高め、顧客のより多様なニーズに応えることを目指す。

第2位
アマダが加工機のビアメカニクス㈱の株式取得(子会社化)

㈱アマダ(東証PRM6113)は、半導体パッケージ基板及びプリント基板向けの高精度なドリル穴明機・レーザ加工機の研究・開発、設計、製造、販売、サービスを手掛けるビアメカニクス㈱(2024年3月期純資産20,620百万円、総資産48,182百万円、売上高43,292百万円、営業利益6,771百万円)の株式を取得し子会社化。アマダが保有するレーザ技術などのコア技術、自動化装置、IOTによるサービスサポート体制や生産供給体制の仕組み等と、ビアメカニクスが保有するレーザによる穴明加工技術や、製造装置を高速、高精度化する技術を融合させ、高付加価値商品への資本投下を進める。

第1位
日本電信電話(NTT)がインターネット専業銀行の住信SBIネット銀行㈱の株式取得(子会社化)

日本電信電話㈱(現、NTT㈱)(東証PRM9432)は、モバイルアプリ・インターネットをチャネルとした預金業務・貸出業務等の銀行業務、デビットカード業務、BaaS(Banking as a Service)事業等の金融サービス等を手掛ける住信SBIネット銀行㈱(東証STD7163、2025年3月期純資産169,921百万円、総資産11,236,958百万円、経常収益146,521百万円、経常利益38,189百万円)の株式を取得し子会社化。日本電信電話はdポイントクラブ約1億会員、携帯電話サービス約9,000万契約、dカード約1,800万会員等の顧客基盤を有しており、これらの顧客に対して住信SBIネット銀行の銀行口座の開設を促すことにより、口座数の獲得を支援するドコモサービスとの連携を通じて利便性・利得性を向上、住信SBIネット銀行のメインバンク化の推進及び預金残高の拡大を支援する。

2025年4~6月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングTOP5
  • 第1位:日本電信電話(NTT)がインターネット専業銀行の住信SBIネット銀行㈱の株式取得(子会社化)
  • 第2位:アマダが加工機のビアメカニクス㈱の株式取得(子会社化)
  • 第3位:ユカリアが不動産相続コンサルティングのGplus㈱の株式取得(子会社化
  • 第4位:サノヤスホールディングスが制御盤の㈱ヤマガタ共同の株式取得(子会社化)
  • 第5位:ハイレックスコーポレーションが自動車用機能部品の三井金属アクト㈱の株式取得(子会社化
総評

2025年4~6月期のM&A・アライアンス「創造度」ランキングは、いずれも自社だけでは生まれない化学反応を狙ったバックキャスト型で、単なる規模拡大ではなく提供価値の再設計に舵を切った戦略的M&A案件が並んだ。第1位:日本電信電話(NTT)。情報・通信企業が、ネット銀行を手掛ける銀行企業を傘下に収めビジネスモデルの高度化を目指す、極めて意欲的な取り組み。第2位:アマダ。金属加工企業が、ビジネスモデルを拡張し、差別化と高い参入障壁を築く。第3位:ユカリア。医療・介護領域の専門知見を活用することで、不動産サービスの高付加価値を目指す、戦略的なアライアンス。第4位:サノヤスホールディングス。各種配電盤・制御盤・操作盤メーカーのロールアップを通じて、営業面における相乗効果、技術・生産面での補完関係を強化、更なる収益力の向上を狙う。第5位:ハイレックスコーポレーション。自動車ドア全体の技術革新、高品質な製品を提供するための戦略的アライアンス。各社の取り組みは、産業の競争軸を単品性能から「総合力・バリューチェン強化」へとシフトさせるものであり、新機軸・革新的ビジネスモデルの誕生を大いに期待させる。各社の今後の取り組みと更なるM&A・アライアンス施策から目が離せない。

以上

競合他社が次のM&Aを仕掛ける前に、自社の選択肢を一度整理してみませんか?

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