QDレーザが事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年6月)を発表

概要

 ㈱QDレーザ(東証GRT6613)は、2023年6月23日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容

 半導体レーザデバイス事業(通信・加工・センサ用の最先端半導体レーザの製品化、シリコンフォトニクス用の量子ドットレーザの開発・製品化)、レーザ網膜投影事業(レーザ網膜投影技術を活用した「RETISSA」を製品化、試作品の受託・共同開発、製品化)。

強み
  • 材料、設計、制御に渡って唯一領域を多数保有する最先端の半導体レーザ技術。⽤途に最適なレーザを設計する技術。光通信技術を⽣かした世界最速(10ps)精密加工⽤半導体レーザの設計を実現。DFBレーザを超小型ユニット化する技術。⻩⾊・オレンジレーザモジュールでPrism Awards 2014のFinalistに。超小型レーザプロジェクタから、網膜に直接映像を投影する技術。世界初の製品化に成功。レーザ内部に周期的な凹凸を形成する技術。任意波⻑制御を可能に、世界初の⻩⾊・オレンジ半導体レーザ商⽤化。世界最高動作温度の量子ドットレーザの量産化に成功、世界最小シリコン融合トランシーバ実現。半導体結晶を半導体基板上に⼀原子層づつ成⻑させる技術。
  • 半導体レーザ業界唯一のセミファブレス体制。
  • 世界初の網膜投影技術を活用したアイウェア製品化。
  • 視覚にイノベーションを起こす独自レーザ技術。
中期経営計画

 2024年3月期の数値目標は、売上高1,446百万円(2023年月期実績1,159百万円)、営業利益▲559百万円(▲556百万円)、とした。

リスク
  • 同社が参入しているレーザ関連市場は、精密加工装置やバイオ系検査装置などの産業⽤、医療⽤機器向けを中心に成⻑傾向は継続するものと見込んでいるが、国内外の経済情勢や景気動向、それにともなう設備投資意欲の減退等の理由により、市場の成⻑が鈍化する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
  • 同社ではファブレス製造の方針を取っているので、外部の協力企業に製造を委託している。それぞれの企業の特性などを考慮し、同社製品の製造能力に応じて、各社への製造委託品目を決めている。各社に対しては、同社にて品質検査、経営状態の確認などを実施している。仮に委託先の経営悪化、品質事故などが発⽣した場合、容易に委託先の変更は可能ではあるが、新たな⽣産体制が再構築されるまでの期間、同社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
  • 同社は、研究開発活動の進捗に伴い、先行して多額の研究開発費が計上されている。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が見込まれる。今後、継続的に財務体質の強化を図るが、収益確保または資金調達の状況によっては、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。また、同社の公募による資金調達の使途に関しては、網膜⾛査型レーザアイウェアの製造費⽤に充当する予定だが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利⽤する場合があり、投資効果が期待通りにあげられない可能性がある。また、同社の行使価額修正条項付新株予約権による資金調達の使途に関しては、主にレーザデバイス事業の⽣産能力増強やM&Aに充当する予定だが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利⽤する場合があり、投資効果が期待どおりにあげられない可能性がある。
  • レーザアイウェア事業における各機器は、眼鏡店や医薬品・医療機器メーカー、専門商社などの販売代理店や、代理店が運営するECサイトを通じてエンドユーザーに販売している。また、同社から機器やパーツ、モジュールを提供し、販売先企業が製品化あるいはパッケージ化して販売している。レーザアイウェア事業の販売計画は、こうした企業の販売目標や締結済みの契約を目安に作成している。こうした販売目標は市場投入前のマーケティング活動等を踏まえて設定されたものだが、網膜投影機器は市場にとってほとんど前例のない製品であり、当初の目標台数よりも販売できない場合、各社の事業方針に変更等があった場合には、同社の業績に影響を与える可能性がある。
所感

 同社2023年3月期業績は、レーザアイウェア事業はセグメント利益赤字も売上高が前事業年度比182.7%増、レーザデバイス事業はセグメント利益黒字を確保した。レーザアイウェア事業は3つの新製品(網膜投影型ビューファインダーのRETISSA NEOVIEWER、目の健康チェックツールのRETISSA MEOCHECK、網膜投影型拡大読書器のRETISSA ON HAND)の量産販売開始等から売上拡大が見込まれる。レーザデバイス事業はグローバルニッチ新製品(⾼付加価値化可視レーザモジュール、半導体ウエハ/マスク検査用DFBレーザ、超⾼速精密加工用DFBレーザ)の製品化とシリコン光配線用量⼦ドットレーザの進捗等により売上拡大が見込まれる。足元は全社営業赤字か継続しているが、新市場の創出等により、同社の今後の飛躍が期待される。

事業計画及び成⻑可能性に関する説明資料

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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