ジャパン・ティッシュエンジニアリングが事業計画及び成長可能性に関する事項(2023年5月)を発表

概要

 ㈱ジャパン・ティッシュエンジニアリング(東証GRT7774)は、2023年5月9日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。

事業内容

 「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げ、再生医療等製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業(表皮、軟骨、角膜上皮、口腔粘膜上皮等5つの自家再生医療製品の承認を取得)、再生医療に関する開発及び製造等を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開。

強み
  • 自家細胞のプラットフォーマーとして再生医療の製品化を実現し、安定生産するとともにこれらを医療機関に提供してきた実績。
  • 研究開発、薬事、製造、販売および製造販売後対応までのすべての機能を保有。
  • 有望な再生医療の「種」を見つけ、製品化する開発プラットフォームを持つ(開発シーズはすべて製品化へ繋げている)。
  • 再生医療等製品を商用生産できる製造施設を持ち、再生医療メーカーとして自家細胞製品を安定的に提供。
  • 再生医療の高い品質基準をもとに、研究開発支援事業と再生医療受託事業へと展開。
中期経営計画

 2026年3月期の数値目標は、売上高50億円(2023年3月期実績20億円)、営業利益率10%超(同営業赤字)、とした。尚、2024年3月期黒字化の見通し。

リスク
  • 再生医療製品事業は、同社製品の市場規模が限定的で、一定以上のシェアを確保していたとしても、対象患者の発生状況や他社の参入により売上高が大きく変動する可能がある。
  • 再生医療受託事業は、開発状況や委託元の方針変更等により受託業務の解約や規模縮小等の可能性がある。
  • 予測できない法改正や医療行政の方針変更等による急激な環境変化が生じると、同社経営戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
  • 代替の利かない原材料、資材等を一定数使用しているため、これらが調達できない場合、同社製品及び受託製品の製造中止の可能性がある。
所感

 同社は、再生医療・ティッュエンジニアリングのトップランナーとして、国内第1号の再生医療等製品の承認取得・保険収載を実現するなど多くの製品を上市し、適応拡大を実現させ、これまで2,500例を超える患者へ再生医療等製品を提供している。2023年4月には、同社親会社の帝人㈱と再生医療受託事業に係るライセンス契約を締結、再生医療受託事業に係るノウハウを非独占的に帝人へ提供すると共に、同ノウハウを使用するライセンスを帝人に供与する対価として、帝人が実施する再生医療受託事業の立上げ段階に応じたマイルストン対価(総額最大3.7億円)及び帝人が実施する再生医療受託事業の売上と連動したランニングロイヤルティを受領する。同社にとっては、収益の下支えとなり、他家培養表皮や自家CAR-T細胞の上市と共に業績拡大に弾みがつくものとみられ、今後の飛躍が期待される。

事業計画及び成長可能性に関する事項

以上

株価算定・企業価値評価で全国対応の三澤公認会計士事務所

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