概要
ベースフード㈱(東証GRT2936)は、2023年5月29日、事業計画及び成長可能性に関する事項を発表した。
事業内容
完全栄養の主食を中心としたBASE FOODシリーズ(「BASE PASTA」・「BASE BREAD」・「BASE Cookies」・「BASE FOOD Deli」)の開発及び販売。(「完全栄養」とは1食(BASE PASTAは1袋、BASE BREADは2袋、BASE Cookiesは4袋、BASE FOOD Deliは1袋)で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・n-6系脂肪酸を除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む意。)
強み
- 高い研究開発力により植物由来の食材を主原料とした完全栄養の主食を実現し、食品メーカーとしてユニークなD2Cモデルの販売によりロイヤルティの高い定期注文者層を獲得。
- タイムリーな顧客情報・フィードバック分析。D2Cチャネルで顧客と直接接点を持つことからタイムリーに取得できる顧客フィードバックや購買情報をスピーディに商品改良に反映。
- アジャイルな自社研究開発体制。開発プロセスの改善を継続的に実行することで、高頻度のアップデート・新商品展開を重ねていくことが可能。
- ミックス粉と商品を異なる取引先で製造することによりレシピの秘匿性を保ちながら量産体制を確立。
- EC・リテールチャネルを活用した販売・マーケティング体制。ECチャネルとリテールチャネルが相互に送客することでシナジーを実現し、エコシステムを形成。
中期経営計画
2024年2月期の数値目標は、売上高16,078百万円(2023年月期実績9,857百万円)、営業利益▲804百万円(同▲970百万円)、とした。
リスク
- 同社は、商品の製造を外部に委託している。天災、火災、事故、製造委託先の経営状態の急変などが発生した場合、商品の生産・供給に影響することになり、同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。また、今後製造委託先が他の業者を優先するなど何らかの事情で契約解除の申し出や製造量の制限などの契約変更によって取引の継続が困難になった場合、同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社は、同社商品のインターネット広告等の活用した広告宣伝活動を行っており、当該活動は本法の規制を受けている。「完全栄養」という用語の使用に際して適切な注釈を付記して使用しているが、日本において「完全栄養」という言葉の定義が明確に定まっておらず、優良誤認表示等の該当性の判断基準は、行政庁に一定の裁量があるため、行政庁から当該表現又は運用の改善を指摘される可能性がある。その他、自社の商品の内容や取引条件等に関して広告を行う場合に、万が一、商品の内容について、実際よりも著しく優良と誤認されるおそれのある表示をした場合や、取引条件について、実際よりも著しく有利な取引条件だと誤認させるような表示を行った場合には、所轄官庁である消費者庁による行政処分を受ける可能性がある。景品表示法に反する広告の表示があった場合には、広告表示の使用停止などの措置命令や、課徴金制度の対象となる可能性があり、これにより同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
- 同社商品は、小麦全粒粉、大豆、油脂、卵等を主な原料として製造している。世界情勢による原油高や原材料高騰や急激な為替変動が生じた場合には、同社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
所感
同社は、新型コロナウイルスが蔓延して以降、健康に対する意識は一層高まり続けており栄養バランスのとれた健康的な食事に対する需要が高まっていると分析、「おいしい・かんたん・からだにいい」商品を投入することで売上拡大が続いている。足元の業績は、積極的な広告宣伝・販売促進、研究開発活動等により営業赤字を計上するも、2025年2月期は通期黒字化する見通し。自社EC、他社EC、リテールチャネル等での認知度向上等によって、同社の更なる成長が期待される。
以上
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